業務改革はなかなかうまくいかないものだ。手法や手段の拙さもさることながら、大きな原因は継続的な活動として組み込めていないことにある。そこにはどんな背景があるのかを考察してみる。
どんなに優れた業務モデルも2つの要素から時代と共に色褪せて変質する。1つは社会や市場の変化によって事業環境が変わっていくのに、その環境に整合していないことによる。もう1つは社内組織が変遷していくのに伴って組織の壁ができ、業務をブラックボックスにしてしまうため、見えないことによって改善が滞ったり悪弊が放置されたりすることである。こういう状況になると、多くの社員が業務のプロセスや結果に不具合があることを様々な事象から感じるようになる。悪化してくるとどこから手を付けていいかも分からず、責任のなすり合いや愚痴が飛び交う、改善の進まない会議を重ねることになる。
この状態から脱却するためには業務を再構築する業務改革が必須となる。業務改革の目的は企業活動の目的である収益にあると言っていい。付随する目的には社員の満足度や顧客の満足度や社会貢献もあるだろうが、それは健全な業績が継続できてこそのことなのだ。特に業績が思わしくなく危機意識が高まっている企業において業務改革は必然だし、場合によっては事業そのものを見直す経営改革にも着手しなければならない。
しかし、業務改革はなかなかうまくいかないものだ。手法や手段の拙さもさることながら、大きな原因は継続的な活動として組み込めていないことにある。トップの鶴の一声で始まったはいいが、改革の本質を理解し継続できる仕組みを作らないために一過性で終わるのだ。
間違いやすいリーダーの人選
業務改善はボトムアップやミドルアップでもできるが、業務改革となると経営トップの力は欠かせない。トップが明確な現状認識を示し改革コミットを発信することによって重い動輪が動く。トップの腰が折れたらそこで改革は止まる。
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