永遠の課題ともいわれるデータ管理。日本企業は取り組みが遅れていると考えがちだが、インフォテリアの油野達也氏は食品業界での取り組みを例に挙げ、「確立されたデータフォーマットや共通化された製品・商品マスターを持った業界・業種が、日本にはすでに存在している」と言及、世界をリードする先進的なデータ管理を実践している企業があることを紹介した。データ管理のプロジェクトにおいて幅広く活用できるASTERIA製品のラインナップにより、今後もこうした企業のチャレンジを引き続き支援していく姿勢を強調した。
日本のデータ管理は世界一!
ここまで進んだデータ管理の実態
日本国内において、先進的なデータ管理に取り組んでいるのはどのような業界なのか。油野氏がまず紹介したのが食品業界の取り組みだ。
日本の食品業界は、過去に食品偽装やBSE問題など、食の安全を揺るがす試練に直面してきた。そうしたなかで、JAS法をはじめ、食品衛生法、健康増進法、景品表示法などの法律も整備され、商品にかかわる様々な情報を表示することが業界全体で義務付けられるようになった。
こうした背景の下、食品業界では、原材料メーカーが提供する製造・商品情報に、加工メーカーが必要な付加情報を加え、仕様書や商品規格書として、卸・小売に提供する仕組みが出来上がりつつある。受け渡される情報は、産地情報から、原材料・添加物情報、栄養成分情報、アレルギー情報まで、多岐にわたっており、業者間での情報の正確で効率的な受け渡しが必要とされている。
食品業界のデータ管理の現状について油野氏は、「原材料メーカーの情報をベースに、業界全体でトレーサビリティを実現する基盤が整備されようとしている」と説明する。
先進的なデータ管理が進みつつあるのは、食品業界だけではない。グリーン調達といった取り組みが進むなかで、他の業界においても部品などの商品の情報を表示させようとする動きが活発化している。また、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量や出所を表示するカーボンフットプリントの取り組みも本格化しつつある。
時代の変化に対応する競争力の高いデータ管理を実現するために
食品業界をはじめとする、日本企業の先進的なデータ管理の取り組みを支えているのが、マスタデータ統合をベースに企業内・企業間のデータ連携を実現するソリューションだ。
インフォテリアは、データ連携ソフト「ASTERIA」を提供する国産ベンダーであり、国内企業を中心におよそ4000社の導入実績がある。ASTERIAについて油野氏は、「EAI/ESB製品の国内市場シェアで7年連続第1位(テクノ・システム・リサーチ調査)を獲得するなど、国内企業から高い信頼を得ている」と強調する。
マスタデータ統合による高度なデータ管理を実現するインフォテリアのアプローチは、データ管理の現状分析・設計から、データ整備・プロトタイプ構築、データ管理システム構築まで一貫して提供することを特徴としている。
現状分析・設計のフェーズでは、投資効果など、データ管理のあるべき姿を分析し、最適なマスター設計を実現するコンサルティング・サービスを提供する。もちろん、データ整備・プロトタイプ構築も、データ管理にとって重要なフェーズ。データ品質を高めるクレンジングサービスによって、社内に散在する顧客情報などの「標準化」「統一化」を図ることが可能になる。
データ管理システム構築のフェーズでは、企業内に分散する複数システムのマスターデータの同期を取り、常にデータを一意に保つ連携基盤のハブ機能と、マスターデータの入力を支援するためのインタフェースを提供す。
ビッグデータをはじめ、食の安全やグリーン調達など、データ管理を巡る環境が大きく変化するなか、企業にとって、独自のデータフォーマットの構築とマスタデータの共通化はますます重要な課題になっている。こうした取り組みの重要性について油野氏は、「従来のERPシステムの延長線上で、商品マスターや顧客マスターを運用していたのでは、他社と差異化を図ることはできない。時代の変化に対応する最適なマスターを戦略的に構築し、他のマスターとの連携を図ることによって、真に競争力の高いデータ管理を実現できる」と力説する。
お問い合わせ
インフォテリア株式会社
http://www.infoteria.com/jp/
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