米国ではオンデマンド・テレメディシンが着実に普及してきている。医療費が高いことが背景にある。従業員へのサービス向上を目的に、テレメディシンのサービスプロバイダと契約する企業も増えている。
米国では病気になったからといっても、医師に診察してもらうまでが一苦労である。病気かなと思ったらまず、ファミリードクター(かかりつけ医)に電話をかけ予約を取る必要がある。当日に空き時間がなく症状が軽ければ、予約は翌日以降になってしまう。症状が重ければ当日中に割り込ませてくれることもあるが、たとえ高熱に悩まされていても、車を飛ばすか家族に運転してもらって、予約時間までには医院に到着しなければならない。
これが週末や祭日なら医院は当然閉まっている。その場合は、年中無休のウォークイン・クリニック(walk-in clinic:緊急診療所)を訪れることになる。予約なしで診察してくれるものの、混み具合によっては1時間以上待たされる。
ようやく診察を受けられたら、今度は薬局に薬を取りに行かなければならい。ただ、薬局で待つ必要はない。医師がパソコンで作成した処方箋は、患者が指定した薬局にネット経由で送信されるためだ。患者が窓口に着くころには、調合済みの薬が用意されている。ちなみに薬局は、主要なスーパーストアー内にある。米国には医薬品専門店、いわゆる薬屋はない。
診察をPCやスマホなどから予約
こうした状況を回避するために、登録ユーザー数を増やしているのが、オンデマンド型のテレメディシン(telemedicine)だ。主なオンデマンドのテレメディシンサービスを表1にまとめた。いずれも、PCやタブレット、スマートフォンなどを使ってアクセスができる。
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