ITを中心に異業種の人材をネットワーク化する活動、「InnovationCafe」が始動する。コアメンバーの1人が、本誌コラム「是正勧告」の著者である木内 里美 氏だ。一体何を目論み、目指しているのだろうか。
イノベーションを起こすのは、常に異端の人である。少なくとも凡人ではあり得ない。少子高齢化が進む日本にとって、激変する事業環境に直面する企業にとって、だからこそ異端の人が必要だ--。本誌コラム「是正勧告」の著者である木内 里美 氏(オラン代表)は少し前の是正勧告に、こう書いた。
問題指摘だけではなく、「異端ネットワークを創る」とも、そのコラムでは宣言している。この言葉通り、異端の人をネットワーク化する活動「InnovationCafe」が始動する。木内氏に加えて、企業におけるデータサイエンス活動の草分けである河本 薫 氏(大阪ガス情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長)や、服部 篤子 氏(社会起業家研究ネットワーク代表)らが実行委員として名を連ねている。
一体、どんな活動をするのか?InnovationCafeは、セミナーやワークショップ、あるいはSNS(Social Network Service)を通じて、企業で実績を上げたイノベーターによる成功の裏話や体験談など、オープンな講演会では聞けないリアルな情報のシェアを主眼に置く。つまり企業で活動するイノベーション人材に焦点を合わせたコミュニティ活動である。
ターゲット層は、「異端の人(異端児)」という言葉から想起される「変わった人」や特異な人というわけではなく、現状と将来に対して強い問題意識を持つ30代~40代の人材だという。「改革のリード役を担うべきこの年代の層が、業務に忙殺されていることもあって、視点を変えるきっかけや場所がほとんどない」(設立企画書より)。それを解消する場がInnovationCafeというわけである。
具体的な活動内容などの詰めはこれから。木内氏や河本氏が実行委員であり、ウイングアーク1stがスポンサー兼事務局を務めることからIT系の色が濃いように見えるが、必ずしもITにこだわらない異業種ネットワークにしていく考えのようだ。最近、急速な広がりを見せているオープンイノベーションに通じる動きと言ってもいいかも知れない。
活動の第一弾として、7月17日にキックオフのイベント「InnovationCafe Vol.0」を開催する。詳細は、こちらを参照頂きたい。