イノベーションを創出し、世界に影響を与える活動には必ず異端児が関わっている。暗澹たる日本の将来を救済できるのは、少なくとも凡人ではない。異端児に望みを託さねばならない。今回は、その異端児についてがテーマだ。
世間では消費税が3%上がっただけで膨大な駆け込み需要が発生し、配送力を誇るさすがの日本の物流にも滞貨や遅配が発生した。そんな目先の現象の裏には実に恐ろしい日本の将来が隠されている。世界一の高齢化社会に急速に突き進む日本が、経済的にも破綻していく明確な兆候である。
社会保障の充実を謳う消費税の増税が焼け石に水であることは誰にでも分かる。2060年には総人口が8600万人台になり、65歳以上が40%を超えるのは確実な未来だ。その時、生産年齢人口が高齢者を支えられるなどという現実は、どうみてもない。それも遠い将来の話ではなく、今年生まれる子が40代半ばに遭遇する現実である。
問題の解決にはいくつものダイナミックな政策が必要となるだろう。生産年齢を10年引き延ばすことも、自立した女性の生産性に期待することも、あるいは移民政策も考えなければならないだろう。この問題については、いろいろな角度からこのコラムで取り上げていくつもりだが、今回は人材面から“日本救済”について考えてみる。
異才・異能・異端と言われる人たち
どの国でも、どんな社会でも、少数の異才・異能・異端と言われる人たちが必ずいる。凡才・凡人・正統の対極にある人達だ。ここでは「異端児」と呼ぶが、彼/彼女らは一般人とは異なる発想ができ、自分で考え実現に向けて行動をする。性向的にはプロアクティブでリスクがあってもチャレンジするタフさを持っている。好奇心もこだわりも強い。異端児は環境で育成されていくことも否定できないが、筆者は元々持つ資質に支配されるのではないかと思っている。
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