IT人材育成のキラーソリューション「新CCSF」の全容を理解する(その1)
2014年7月3日(木)高橋 秀典(スキルスタンダード研究所 代表取締役)
今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにしてIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきたいと思います。
まもなく新CCSFが登場
2012年3月に公表されたCCSF(Common Career Skill Framework:共通キャリア・スキルフレームワーク)は、本連載でもたびたび紹介してきましたが、2014年7月末、非常に充実した内容に生まれ変わって世に出る予定です。
CCSFの初期バージョンは、企業活用を前提とした画期的な考えで作られていました。ただし、ITSS(ITスキル標準)、UISS(情報システムユーザースキル標準)、ETSS(組込みスキル標準)のみを対象として統合されたこともあり、コンサルテーションを行う場合でもかなりの過不足が見受けられました。
今回発表される「新CCSF(仮称)」では、最終形の構造と、時間をかけて構成されたコンテンツが用意され、これぞ「IT人材育成のキラーソリューション!」と評価できる内容になっています。そこで今回より数回にわたって、その考え方や使い方について解説していきます。 CCSFの全容をつかみ、深く理解していただくために、現行のCCSFの概要から説明して、新CCSFへとつなげていく予定です。続けて読んでいただくことで、「IT人材育成のキラーソリューション」という表現を納得していただけることと思っています。
企業でのスキル標準活用の現状
CCSFは明らかに「スキル標準の企業導入」をターゲットにしています。これまでのスキル標準の中で最も普及していると言われているITSSを例にとると、「企業の目的に合わせて組み立てて活用すること」と、「IT技術者個人がIT業界の中でどのくらいのレベルにあるかの指標」という2つの側面が混在して説明されており、いざ導入する段階になると大変わかりづらい、というのが多くの推進担当者が感じるところでした。実際に活用できるようになるまでは、相当に苦労して試行錯誤を繰り返さなければならなかったわけです。
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