今日の情報システムは、効率化や省力化を超えて何らかの価値創出を求められている。そのためにはアプリケーションを迅速に、しかも常識を越える低コストで開発し、改善し続けるためのクラウド基盤、つまりPaaSが必要不可欠だ。その1つである「kintone」を提供するサイボウズの青野慶久社長は、「従来なら実現できなかったアプリケーションを開発する事例が増えており、またわずか39万円という常識破りの定額SIビジネスを展開する企業も登場しました。kintoneが大きな変化をもたらしつつあることを実感しています」と語る。いったいどんな変化が起きているのか、青野社長に聞いた。
kintoneならではのユニークな機能
あらゆるデータにコミュニケーション履歴を付加
図1 kintoneの開発画面の例。用意されているボタンやメニューをドラッグ&ドロップで配置すれば入力画面を作成できる拡大画像表示
ではkintoneは、どんな機能を備えているのだろうか。まず誰もが簡単にアプリケーションを開発し、あるいは改変して新しいアプリケーションを作れるようにする「ビジュアル開発機能」だ。Excelの表に相当するデータを定義したり、そのデータを参照したり入力・改変するための帳票などを、メニュー選択や部品のドラッグ&ドロップにより極めて簡単に作成できる(図1)。ワークフロー機能も備わっているので、データ処理の流れを定型化したり、自動化したりすることが可能である。
ただし簡単にアプリケーションを作るだけなら、類似機能を持つツールもある。kintoneならではのユニークな特徴が、アプリケーションが管理するすべてのデータに、そのデータに関するチームメンバーによるコミュニケーションや改変の履歴が付加されることだ。あるデータを誰がいつ見て、どのように修正したかといった記録が残るほか、修正した理由や意見を記すことができる(図2)。
図2 kintoneでは、すべてのデータにコメントが付けられる。あるデータを誰がどう修正したか、その履歴を含めて一目瞭然で把握できる拡大画像表示
使ってみないと利点を理解しにくいが、電子メールにExcelファイルを添付し、改変理由や修正指示をメール本文に書くことを考えると、その便利さが分かるかも知れない。「チームメンバーが協働して何かを行うためには、全員が情報を登録したり、データを見れたりするだけでは不十分です。“なぜそういう結果になったのか”、”こんなことも読み取れる”、”別の活用もあるのでは”といったように、多様な視点や価値観をぶつけ合う議論があるべきです。そんな創造的なコミュニケーションを誘発するので、kintoneで開発したアプリケーションは新たなアイデアや価値を生み出せるのです」と青野社長は言い切る。
前述したように、開発したアプリケーションを同じ企業のメンバーだけでなく、他社のメンバーや顧客と共有するための機能もクラウドサービスであるkintoneの特徴の1つだ。「今やチームやメンバーは同一企業の人とは限りません。企業の壁を超え、異業種の才能ある人同士がコラボする“オープンイノベーション”というキーワードがあるように、他社の人とチームを組んでプロジェクトを遂行することは、これからの企業や組織には欠かせません。それどころか顧客や消費者とコラボレーションしたり、情報を共有したりすることも普通になるでしょう。kintoneはセキュリティを維持しながら、そういった従来は困難だったチームワークを支援します」(青野社長)。
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