今日の情報システムは、効率化や省力化を超えて何らかの価値創出を求められている。そのためにはアプリケーションを迅速に、しかも常識を越える低コストで開発し、改善し続けるためのクラウド基盤、つまりPaaSが必要不可欠だ。その1つである「kintone」を提供するサイボウズの青野慶久社長は、「従来なら実現できなかったアプリケーションを開発する事例が増えており、またわずか39万円という常識破りの定額SIビジネスを展開する企業も登場しました。kintoneが大きな変化をもたらしつつあることを実感しています」と語る。いったいどんな変化が起きているのか、青野社長に聞いた。
39万円でシステムを開発する企業が登場
kintoneがSIのあり方を変える
ただし現在のkintoneは、まだ完成版ではない。もちろん試作レベルという話ではなく、「クラウドであるkintoneは、常に進化し続けます」(青野社長)との言葉から明らかなように、年数回のリリースアップを続けるという意味だ。では、今後の強化ポイントはどんなものなのだろうか?
青野社長によると、第1がエンタープライズ(大企業)用途に耐える性能とスケーラビリティの強化である。中堅・中小企業はもちろん、最近では大企業ユーザーが増えている。当然、kintoneが管理するユーザー数や扱うデータ量が増えており、性能やスケーラビリティの面で支障が生じることは許されない。
エンタープライズ(大企業)用途を強化する一環として、基幹システムをはじめとする既存システムとの連携や、APIの拡充やプラグインの追加による拡張性の強化も急ピッチで進めている。kintoneの外部にあるシステムやアプリケーション、サービスと簡単に連携できるようにすることで、高度かつ大規模なアプリケーションを開発しやすくするのが目的だ。
すでにSAP ERPとの連携機能を実装済みだし、今年6月に行われたアップデートでは、複数のJavaScriptファイルをまとめて読み込んでアプリケーションに適用するとともに、「Box」や「Zendesk」といったクラウドサービスとの連携プラグインがリリースされた。「様々なシステムやサービスと連携させることで、高度なシステムを素早く、手軽に開発できる。これはPaaSであるkintoneの使命だと考えています」と青野社長は話す。
第2がIoT(Internet of Things)など高速・多頻度のデータへの対応。「グループウェアは、これまで人と人、あるいは人と組織、組織と組織のコラボレーションを支援するツールでした。kintoneでは、それを超えてセンサーなどモノを含めたコラボレーションを可能にします。すでにモノが生み出すデータをkintoneに集約し、処理する事例が出てきています。こうした新たな用途に真正面から対応していきます」(青野社長)。
kintoneの強化に留まらず、kintoneによってシステム開発のあり方を変えていくことも、今年以降の重要なミッションだという。「開発生産性の高さを活かし、39万円という低価格かつ定額で要望に合うシステムを短期開発するシステム39というサービスを提供する企業が登場しています。価格の安さが注目されがちですが、同社のサービスは旧来の人月ベースの受託開発が時代遅れになったことを示しています。つまりシステム開発という業種は弁護士や会計士、コンサルタントに見られるような、”1時間の相談料は○万円”といったプロフェッショナルサービス型のビジネスに移行していく。その先駆けである点にこそ、注目する必要があるでしょう」(青野社長)。
事実、kintoneの開発者が自発的に開く勉強会「kintone Café」が全国各地に誕生し、システム39のような斬新なソフトウェア開発のあり方を模索する活動が広がっている。サイボウズ自身、開発者向けの公式コミュニティサイト「cybozu.com developer network」を通じて、そうした動きを支援する。これからの時代におけるITの役割や、その開発・実行環境に求められるものは何か?システム開発のあるべき姿はどんなものか?それらを追求するサイボウズの挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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