旭酒造は2014年4月、酒造好適米である「山田錦」を生産する山口県内の2生産者を対象に、クラウド型農業生産管理システムを稼働させた。栽培における作業実績や環境情報を見える化することにより、自社製品の原料となる山田錦の栽培技術を確立することを目指す。製品やサービスを導入した富士通が、2014年8月4日に発表した。
新システムで収集する情報は大きく2種類ある。1つは、日々の作業実績情報である。生産者は、作業内容や使用した農薬・肥料・資材、草丈・茎数といった稲の生育状況、収穫時の収穫量・品質などをパソコン、スマートフォン、タブレットを用いてクラウド上に記録する。
第2は、環境情報だ。水田内に各種センサーを設置し、気温や湿度、土壌温度、土壌水分、電気伝導度値を1時間ごとに収集。毎日正午に定点カメラで撮影する稲の画像と合わせて、クラウド上に自動送信する。
今秋の収穫後、収集した情報を集計・分析し、収穫量や品質がよかった作業実績を参考に栽培暦(栽培の手引き)を作成。生産過程全体にかかるコストも算出する。
今後、システムを利用する生産者を増やしつつ情報収集・分析のサイクルを繰り返すことで、栽培暦の質を向上。生産者に提供し、生産技術の向上を図る構えである。
新システムは、富士通が提供する農業向けクラウドサービス「Akisai」を利用して構築した。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 旭酒造 |
業種 | 日本酒の製造販売 |
導入システム | 農業生産管理システム |
導入目的 | 酒造好適米生産技術の確立 |
導入時期 | 2014年4月 |
主な利用サービス | 「Akisai」 |