2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」を取り上げる本連載。IT戦略における日本と世界の差異を見極めるための観点として、第1回から第6回までは、クラウドコンピューティングを中心にグローバルトレンドを見てきた。第7回からは、クラウドコンピューティングに並ぶ、もう1つの重要キーワードである「GRC(Governance、Risk、Compliance)」の観点から、グローバルトレンドを見ていく。今回は、英語力と遂行能力、そしてプレゼンテーションについて考えてみたい。
グローバル化(Globalization)は、ラテン語の「globus」が語源である。「糸玉 = clew」という意味だ。ギリシャ神話に登場する英雄テセウスは、迷宮に閉じ込められた怪物ミノタウロスを退治する際、迷宮で迷わないための命綱としてclewを使った。
私たち現代人も、グローバル化が進展する世界で迷わないようにclewが必要だ。現在、インターネットに接続されている機器は100億台以上あるとされている。これら、つながっている先とやり取りするためのclewとして、新しいITへの対応力と英語力の2つの必要性が急速に高まっている。
ネット上で英語を使うユーザーは5億4000万人程度だとされ、多言語と比べ最も多い。ビジネスの世界でも、アジアにおける共通言語は事実上、英語である。世界でよく使われているソフトウェアやサービスを次々と繰り出してくる著名なネット企業は、ほぼすべてが米国発。すなわち、最新のソフトウェアやサービスも英語がベースだということだ。
ここで、筆者が使っている便利なサイトの1つを紹介しよう。「www.archive.org」がそれで、1996年から今に至るまでの履歴と、かつてのWebページそのものが見られる。もちろん、ここに保存されているデータも英語情報が中心である。
会員登録(無料)が必要です
本連載『2020年を見据えたグローバル企業のIT戦略』の第1回〜第12回が「クラウド、GRC編」として、IT Leadersの電子書籍『IT Leaders選書』になりました。お手元でじっくりとお読みいただけます。こちらから、どうぞ、お買い求めください。
- 1
- 2
- 3
- 次へ >
- 【第24回】IoT が実現する社会に向けた戦略を確立せよ(2015/10/05)
- IoTで活性化するロボットとAI─感情をデジタルで扱うために:第23回(2015/09/07)
- 【第22回】IoTでデータを再集中させるセンサーの課題が未解決(2015/08/03)
- 【第21回】IoTが導く第3のドリブンは“エモーション(感情)”(2015/07/06)
- 【第20回】IoT活用で問われているのは発想力、ブレインライティングが有効(2015/06/01)