国内企業でも本格的なデータ利活用の兆しが感じられるが、その阻害要因の1つとなるのが極めて深刻化している情報セキュリティ・リスクだ。被害を恐れるあまり、対策の矛先は利活用の現場に向きがちとなる。管理責任を回避する最もシンプルで安易な対策によって、利活用が阻害されていく昨今の傾向はいかがなものか。今回は、この構図にメスを入れたい。
日本はアジア諸国のようなフリーのWi-Fi網の整備が遅れている。通信事業者(キャリア)への依存が強いからだが、それでも広域でネットワークが使えるようになってきた。加えてここ数年のモバイル端末の普及は凄まじい。最近は、モバイル端末を持っていないビジネスパーソンに会うことは希になった。
インフラばかりでなく、モバイルアプリでもクラウドでも、「使える」ものが格段に増えている。残念ながら日本発のサービスは小物ばかりだが、FacebookのメッセンジャーやGoogleのハングアウトなどのコミュニケーションツールは、実に使い勝手がいい。ビジネスに活用しなければ勿体ない。
一方で企業もデータの重要性に少しずつ気づき、データ・マネジメントやチーム共有・分析活用など、データを活用する活動も目立つようになってきた。いよいよITの保有ではなく、利活用で差異化を図る時代が来たようだ。
ところがそれを阻害する要因がある。ここ数年、極めて深刻化している情報セキュリティ・リスクだ。一つは巧妙さを増すサイバー攻撃、特に悪意のある標的型攻撃の台頭。もう一つはデータ漏洩の規模の拡大である。
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >
- 生成AIで進化するサイバー空間の“悪意”、どう対処するか?(2025/11/26)
- ヒューマノイドの時代が確実にやってくる(2025/10/28)
- 「越境」のすすめ─CIOは専門性の境界を越える「総合診療科医」であれ!(2025/09/25)
- 年初発表の「2025年世界10大リスク」を振り返ってみる(2025/08/28)
- ネットで完結しないネットバンキング─デジタルを生かせない銀行の非効率(2025/07/28)
-
AI時代の“基幹インフラ”へ──NEC・NOT A HOTEL・DeNAが語るZoomを核にしたコミュニケーション変革とAI活用法
-
加速するZoomの進化、エージェント型AIでコミュニケーションの全領域を変革─「Zoom主催リアルイベント Zoomtopia On the Road Japan」レポート
-
14年ぶりに到来したチャンスをどう活かす?企業価値向上とセキュリティ強化・運用効率化をもたらす自社だけの“ドメイン”とは
-
-
-
-
生成AIからAgentic AIへ―HCLSoftware CRO Rajiv Shesh氏に聞く、企業価値創造の課題に応える「X-D-Oフレームワーク」
-
-
-
「プラグアンドゲイン・アプローチ」がプロセス変革のゲームチェンジャー。業務プロセスの持続的な改善を後押しする「SAP Signavio」
-
BPMとプロセスマイニングで継続的なプロセス改善を行う仕組みを構築、NTTデータ イントラマートがすすめる変革のアプローチ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-





