2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて開発/整備が進む4K/8Kテレビ。一般企業には直接的には関係がなさそうに見える。だが、デジタル化のインパクトはコミュニケーション手段にも及ぶ。企業における動画利用やグローバルへの動画配信などに詳しい、米Akamai Technologiesメディア担当シニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのBill Wheaton氏に、企業における動画活用のこれからなどを聞いた。(聞き手は志度昌宏=IT Leaders編集部)
−−現状の一般的なインターネット環境であれば、動画がギクシャクしたり止まってしまったりしても仕方がないかもしれないが、今後は、そうした通信環境はと通用しないということか。
既に現段階でも、ユーザーの期待値は変わってきている。許容度がますます低くなっている。例えば、EC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトでは、レスポンスに2秒以上かかってしまうと、購入に至るまでのコンバージョンレートに大きな影響が出るとされている。
先述したように、消費者はテレビと同じ品質を期待している。つまり、動きが止まってしまってもいけないし、選択したらすぐに動き出さなければならない。もし、すぐに再生されなければ、その時点で「ビデオを見るのはやーめた」となってしまう。
これは、先のサッカーのワールドカップのときの体験だが、オンラインでビデオを閲覧した時間は平均で45分以上というデータが出ている。45分もネット経由で試合を見ていたということは、動画のクオリティが高かったということの表れだと考えられる。クオリティが低ければ、こんなに長く閲覧できないはずだ。
ただ興味深いのは、時間の経過と共にネットが早くなっているかといえば、むしろネットのスピードは遅くなっている点だ。なぜかといえば、モバイルデバイスが増加したことで、トラフィックの3割ぐらいが携帯電話網経由でネットに流れているからだ。
●Next:4K/8K時代の次世代ネットワークの要件は?
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