テクマトリックスは2015年1月28日、コンタクトセンターCRMシステムの最新バージョン「FastHelp5」を発表した。オンプレミス(ライセンス販売)版を同年2月17日に販売開始する。新バージョンでは、前バージョンに比べてユーザーインタフェースの操作性や権限管理、セルフカスタマイズなどが進化している。また、製薬会社が設ける「くすり相談室」に特化した「FastHelp Pe」も同時に発表した。
コンタクトセンターのオペレーターの1日は、ヘッドセットをつけ、顧客からの電話に出ながらPC画面を操作し対応をすること。「顧客が電話をかけてからオペレーターにつながるまでの時間」や「顧客の質問を解決できるかどうか」など、そのすべての対応が顧客満足度とつながる。質問に答えても、何らかの理由があって顧客が満足しないというケースは多々ある。
そのような顧客との緊密なコミュニケーションが求められるコンタクトセンター業務に特化したCRMを提供するのが、テクマトリックスのFastHelpだ。同製品は、1996年に最初のバージョンを発売して以来、野村証券、楽天銀行、コクヨなど600社以上の導入実績を有している。これらの企業をはじめとする先進ユーザー企業での利用で培われたノウハウを集約しながらバージョンアップを重ねてきた。
最新バージョンとなるFastHelp5の主な特徴を以下に挙げていく。
まず、ユーザーインタフェース(UI)においては、オペレーター業務のストレスを軽減し身体的疲労を和らげることと、人によって配色に対する感性が異なることが考慮されたカラーユニバーサルデザインが採用された。新バージョンのUIでは、配色専門家の意見を取り入れ、心を落ち着かせる「青」をメインテーマに、華やかなムードをもたらす「ピンクグレープフルーツ」、自然のやすらぎを与える「緑」の計3色から、気分に応じて選ぶことができる。
配色のみならず情報の視認性も向上している。スライド表示を採用し、電話応対中に前画面の情報を確認したいとき、今までは前画面に戻る必要があったが、FastHelp5では、前画面をスライドすることによって、現在の操作画面と並べて同時に表示できる。
また、顧客から預かった重要な情報を安全に保護するための仕組みも強化された。権限管理には、権限設定機能が追加され、担当以外の顧客情報を見せないよう、担当者が「検索できる顧客」と「表示する顧客の属性」を制限できる(画面1)。
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このほか、セルフカスタマイズ機能も新バージョンの特徴だ。オペレーターが自ら、標準フォームの中で必要ではない項目を削除したり、必要な項目を追加したり、また必要に応じて一覧の並び順や列名を変えたりすることが可能になっている。
FastHelp5と製薬会社向けのFastHelp Peは、オンプレミス版のほか、クラウドサービスも提供される。オンプレミス版はともに2015年2月17日より販売され、同年4月1日から製品の提供が始まる予定。価格は、5席同時ログインが可能なライセンスの場合、FastHelp5が180万円、FastHelp Peは750万円となっている。一方、クラウドサービスの販売・提供開始は2015年第2四半期(7月~9月)の予定で、価格は未定である。
テクマトリックスは、FastHelp5のオンプレミス版とクラウドサービス版を合わせて、初年度で新規50セットの販売を目標にしている。