シリコンバレーにおけるベンチャーキャピタル(VC:Venture Capital)の投資額が倍近くにまで増えている。並行して、ソフトウェア技術者の年俸も急騰し、人材の流入や転職も激しくなっている。一方で、老舗の巨大IT企業はリストラが続き、人材の排出源になっている。

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2014年に、ベンチャーキャピタル(VC:Venture Capital)がシリコンバレーで投資した資金の総額は、前年比93%増の226億ドルにまで伸びた。これは、2000年のバブル最盛期に次ぐ投資額であり、全米のベンチャー投資における48%を占める(図1)。

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シリコンバレーにおける投資分野の内訳は、ソフトウェアが全体の53%を占める。それに、バイオ医療、メディアなどが続く(図2)。ただし、メディアやITサービスなどは、いずれもソフトウェアあっての事業分野だ。なので、これらを合計した69%(= 53% + 9% + 7%)、すなわち156億ドルがソフトウェア分野に投資されたことになる。
とりわけ、クラウドサービス、ビッグデータとアナリティクスは、大きく注目されている。ユーザー企業が今、最も求めているソリューションだからだ。また、ハッカーによる政府機関や大手企業へのアタック、それに伴うデータ漏洩が社会問題になってきていることから、セキュリティ分野への投資も増えている。
企業別に見れば、2014年の1年間に、VCから最も大型の投資を獲得したのはUberの30億ドル。2位はClouderaの10億6000万ドルである(表1)。同時期に、シリコンバレー地区の企業では、Hortonworks、New Relicなど計23社がIPO(株の初公開)し、年が明けて直ぐにBoxがIPOした。2015年は、Cloudera、Couchbase、Dropbox、Okta、AppDynamics、SquareなどのIPOが噂されている。
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