日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)は2015年3月10日、同団体が主催するアワードプログラム「データマネジメント賞」の2015年度選出企業を発表した。今年、大賞に選ばれたのは、小松製作所と三越伊勢丹ホールディングスの2社である。
日本初の先進M2M技術モデルを実現――小松製作所
建設・鉱山機械および公益事業を展開するコマツは、自社製品のサービス付加価値向上のためにデータを差別化の武器として活用している国内企業の第一人者と呼べる存在である。2001年より他社に先駆けて建設機械の車両稼働状況を遠隔確認するためのシステム「KOMTRAX」の標準装備を開始、現在、世界で約30万台の装備車両が稼働している。
KOMTRAXは、車載した各種センサーと通信装置より、車両稼働状況をデータセンターへ送信し、車両メンテナンス支援、盗難防止のための遠隔操作、主要部品のライフサイクル管理など、アフターサービスのデータ活用モデル化に成功した。この取り組みを、日本初の先進M2M技術モデルとして大賞に値するものと判断した。
データ分析・実行・検証サイクルを全社に浸透――三越伊勢丹ホールディングス
三越伊勢丹ホールディングスの中核企業である三越伊勢丹では、「MD情報分析」と「顧客商品分析」という2つのデータベースを使った分析を行っている。MD情報分析では、単品単位の販売データや在庫データを持ち、前週の販売データから今週の販売予測を行って、施策を立案・実行し成果を常に検証するといった実践がなされている。顧客商品分析は、顧客データを持ち、購買データと紐づけて分析を行い、優良顧客の把握や接客の品質向上に役立てている。
データから仮説を立て、実行し、検証するPDCAサイクルが定着しており、分析リテラシー向上のために地道な教育やサポートも組織的に実施している。データ分析を支えるITと組織的な定着化を実現するこの取り組みは、当企業の企業文化にまで昇華しており、大賞に値するものと判断した。