栃木銀行が営業店システムを刷新した。まず2015年4月20日に本店で稼働させ、同年9月までの間に約80ある全営業店に順次導入する。プロジェクトを支援した日立製作所が2015年4月16日に発表した。
コンビニATMやインターネットバンキングの普及・多機能化などによって、銀行のリアル店舗に赴く機会は減っている。行くのは、口座開設や預金解約といった何らかの手続きが必要な場合や、金融商品に興味を持ってもう少し詳しい説明を聞きたいという場合などだ。こうした背景下、各行は営業店における事務効率を上げ、行員が接客業務に集中できる環境の整備に動いている。
栃木銀行が営業店システムを刷新したのも、各種の手続きで顧客に煩わしい思いをさせず、その一方では、行員の人為的ミスを抑制することによって営業店の業務品質を高めようとの狙いがある。
伝票を前提とした事務作業が多い銀行業務だが、可能な範囲で「デジタルデータによる連携」を図っているのが新システムの特徴だ。口座情報など元帳に含まれる情報の照会を例にとると、従来は専用帳票に逐一印字した上で確認していた。今回はPC端末の画面に表示するようにし合理化を図っている。
窓口付近にはスタンド型スキャナを設置。顧客に記入してもらった伝票を読み込ませればOCR機能が働き、記載内容を認識した上でPC端末に所定の取引画面を自動表示する。口座番号などを行員が入力し直す必要はないので、顧客を待たせないし、転記ミスも防ぐことができる。
運転免許証などの本人確認書類をスキャナで読み取る際には、機微な情報を自動的にマスキングした上で複写するクイックコピー機能を活用。バックヤードに引っ込むことなく、一連の作業を顧客の目の届く範囲で完結させる。顧客が直接操作するテンキーも用意。口座開設などで暗証番号を登録する場合など、所定の桁数の数字を自身で押せばよい。いずれの施策も、セキュリティの面で顧客に安心感を与えるものだ。
銀行業務では、取引内容ごとに事務規定や承認フローがあり、それが現場の混乱を招いたり、結果として顧客を待たせたりということにつながることがあった。新システムでは、PC端末に業務の流れや操作マニュアルを表示し、担当者が惑うことなく当該事務にあたれるようにナビゲートする。上長の承認を伴う業務はワークフロー機能で対処し、これまでのように行員がフロア内を奔走する必要をなくした。
新システムは、日立製作所の「FREIA21+ for NEXTBASE」をベースとしている。日立は地域金融機関向けに共同アウトソーシングサービス「NEXTBASE」を展開。その加盟行を対象に、営業店業務支援システム「FREIA21+」を適用した位置付けとなる。栃木銀行は、加盟各行との共同開発を含め、多様化するニーズに応じた機能追加や各種制度対応などを実施していく計画という。
| 【プロジェクトの概要】 | |
| ユーザー名 | 栃木銀行 |
| 事業内容 | 金融 |
| 導入システム | 営業店システム |
| 導入目的 | 顧客の利便性向上と行員の事務作業の効率化 |
| 主な利用製品 | 「FREIA21+ for NEXTBASE」(日立製作所) |
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