「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、CIO賢人倶楽部会の長である木内 里美 氏のオピニオンです。
CIO賢人倶楽部のオピニオンを最初に書いたのが2014年1月だから、2年ぶりにリレーが回ってきたことになる。この2年の間にも情報通信環境は大きく変化している。
クラウドは実装環境として、その地位を確固たるものとしてきたし、レコードシステム(記録主体のシステム)からエンゲージメントシステム(関与主体のシステム)へ、あるいはバックからフロントへと言われるように、システムの目的がコスト削減や合理化一辺倒から増収増益のための顧客ターゲットへ変化した。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)も当たり前のように言われ出し、着実に実装が進む。機械学習、ディープラーニングなどのAI(人工知能)も「夢を現実に」を感じさせるレベルになってきた。
一方、時代は”VUCA”だと言われる。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty (不確実性)、Complexity (複雑性)、Ambiguity (曖昧性)の頭文字を重ねたものだ。予測がつかない事象が、政情にも経済にも自然現象にも容赦なく起こる。先を読むのが難しい時代であることをよく象徴している言葉である。
この先の読みにくい時代にあって、当然CIOの役割も変わる。今まではともかく、マーケティングやブランディングにも知らぬ顔などできなくなってきた。情報通信技術が関わる、すべての企業活動に関与する必要がある。技術の専門性を求められているからだ。
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