「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、TERRANET代表の寺嶋一郎氏によるオピニオンである。

あけましておめでとうございます。本年が皆さんにとって良き年になりますようにお祈りいたします!
──こうして、2025年最初のコラムになるが、日本におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やITの活用が進まない理由について、改めて思うところを述べてみたい。
結論を先に言えば、ビジネスアナリシス(Business Analysis)が十分に認知されておらず、したがって実践されていないからではないかと筆者は考えている。
ビジネスアナリシスはその名称のとおり、ビジネスを分析する手段・手法である。ITの導入を例にすると、どういうシステムを作るべきかという要件定義が間違っていれば、いくら要件を満たすシステムを開発したとしても、ビジネス上の価値が出ないのはだれでも分かるはずだ。
こういった計画や要求定義を的確に行えるようにするのがビジネスアナリシスであり、その専門知識や経験を積んだ人材がビジネスアナリスト(BA)である(図1)。

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●Next:DX推進でBAがはたす役割、海外企業におけるBAの位置づけは?
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