製造業のCIOやIT部門長なら知っておいて損のない会社が誕生した。大量データを複数のプロセサで並列処理するのに適したGPU(Graphics Processing Unit)コンピューティングを専門とするGDEPソリューションズ(東京都文京区、長﨑敦司社長)である。
GPU(Graphics Processing Unit)は、その名の通り画像処理専用のプロセサ。大量の画素を同時並列に処理するために、数百から数千という多数のコアを搭載する。コアの機能はシンプルなので一般のCPU(Central Processing Unit)のように汎用用途には向かないが、構造解析、CAD(Computer Aided Design)/CAE(Computer Aided Engineering)といった並列処理が生きるコンピューティング用途での採用が進んでいる。
それだけなら製造業の一部に関係するだけだが、ここへ来て新たに有望な用途が生まれた。機械学習の一種であるディープラーニング(深層学習)のためのプラットフォームがそれだ(関連記事)。GPUメーカー大手の米NVIDIAによると、米Google、米Microsoft、米IBM、米Facebook、中国Baidu(百度)などが、ディープラーニング用途にGPUを利用している。
GDEPソリューションズは、この4月1日の設立だ。だがその母体は、NVIDIA製GPUの用途開拓や市場創出を目的に2010年に結成された日本GPUコンピューティングパートナーシップという団体である。すでに6年の活動履歴があるわけだ。その延長でディープラーニングやCAD/CAEなどを対象にNVIDIAのGPUを活用したソリューションを提供する。
事業活動の一環として、製造業向けのクラウド活用支援やエンジニアリング用途の仮想デスクトップ導入支援も提供するという。ある意味でニッチだが、それだけ専門性は高い可能性がある。この点が「知っておいて損はない」という意味である。