[ザ・プロジェクト]
「モノ」から「コト」に転換する電子決済プラットフォームの次期戦略―トッパン・フォームズ
2017年1月24日(火)佃 均(ITジャーナリスト)
トッパン・フォームズ(以下「トッパンフォームズ」)の「攻めのIT経営銘柄2016」選定事由は決済プラットフォーム「Thincacloud(シンカクラウド)」と「ハイブリッド型帳票運用プラットフォーム」の2点。ビジネスフォームというモノから電子帳票サービスというコトへ――専務取締役・増田俊朗氏が期待を寄せるのはこのうち、全くの新規事業となる「Thincacloud」だ。「向こう3年でこれまでの投資を回収できる」と自信を示す。
ビジネスフォームはハイブリッド型
「クラウドの本格展開で新たなビジネスモデルの構築に取り組む」と専務取締役・増田俊朗氏は語るメインフレーム世代が「トッパンフォームズ」の名前から連想するのはインパクトプリンター用の連続帳票。複製方式がカーボン転写かマイクロカプセル転写かで、システム運用に従事した年代が判る。ちなみに増田氏はメインフレーム、スーパーミニコン、UNIXワークステーション、Windowsパソコンも経験した“証言者”の一人でもある。
「1993年ごろでしたかね、最初の転機は」
連続帳票が普通紙に代替されるようになった時期のことだ。メインフレームの集中処理センターでプリントアウトされた帳票は、各部署に仕分けされ、バインダーや簡易製本で配送されていた。ところがオープン系システムの普及で、現場から必要なデータを必要に応じて検索し、必要な量だけオフィスでプリントアウトするようになった。
バブルの崩壊が追い討ちをかけた。経済活動が縮小し、個々の企業でプリントアウトするデータそのものが減った。トッパンフォームズは1993年度、94年度と連続して減収減益に追い込まれた。
「その動きに当社も対応して、1994年頃にデータ・プリント・サービス(DPS)を本格的に展開しました。お客様のプリントアウト業務をお引き受けしましょう、というわけです。モノのビジネスから、コトのビジネスに転換しようと決めたんです」
その後、企業ではペーパーレス化が徐々に進展した。トッパンフォームズもそれに対応し、顧客ニーズにフィットする様ざまな電子帳票関連サービスを開発・提供してきた。これが2015年に開始したハイブリッド型帳票運用プラットフォーム「EFMS(エンタープライズ・フォーム・マネージメント・サービス)」につながっている。紙帳票と電子帳票の両方に対応し、帳票の設計から作成、通知、保管、廃棄までワンストップで、トッパンフォームズにアウトソースすることが可能となる。
「工場を集約し、そこにもITを利活用して生産性を高めていきます。それだけでなく、お客様の生産性向上にも寄与しよう、ということで始めたのがハイブリッド型帳票運用プラットフォームなんですね」
ユーザーは定期的に大量の書類をプリントアウトし発送する金融・証券、保険、クレジット、官公庁・自治体、通信販売、携帯電話サービス……etc。増田氏が「基本的に紙は無くなりません」と言う所以だ。
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