日立製作所の「Lumada(ルマーダ)」が大賞に―MM総研が毎年行っている「MM総研大賞2017」の受賞企業が発表された。日立のIoTプラットフォームであるLumadaが大賞を受賞したほか、スマートソリューション部門には京セラコミュニケーションシステムの「SIGFOX」やNTTコミュニケーションズの「COTOHA」などが、話題賞にはセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズの「ランドロイド」などが選ばれた。
過去、シャープの「AQUOS」やアップルの「iPod」、JR東日本の「Suica」、トヨタの「Prius」、ソフトバンクの「Pepper」など、いわゆる「ヒット商品」が大賞を受賞してきたMM総研大賞だが、今回はエンタープライズ向けITソリューションとしては初めて、日立の「Lumada」が大賞に選ばれた。
関係者の話によると、今回はデジタルビジネスの台頭が大きく影響したようで、Lumadaのほかにも京セラコミュニケーションシステムのIoT専用ネットワークである「SIGFOX」やNTTコミュニケーションズのAI(人工知能)を活用したコンタクトセンター向けソリューションの「COTOHA」、NECのAIを活用したセキュリティシステムなどIT寄りの受賞製品が目立った。
大賞のLumadaは、日立が蓄積してきたITおよびOT(Operational Technorogy)技術を注ぎ込んだ全方位体制のIoTプラットフォーム。例えば、競合とされるGEのPredixやIBMのBluemixがユーザー向けのIoTプラットフォームであるのに対し、Lumadaは日立社内で横断的に使える、ソリューション開発プラットフォームとなっているのが特徴だ。いわば裏方のソリューションが表舞台で評価されたことになる。ただし、今後海外向けに展開するにあたっては、ユーザー向けのインターフェースを用意したIoTプラットフォームとなる予定だ。
IoT分野の最優秀賞をLumadaと分け合った京セラコミュニケーションシステムの「SIGFOX」は、低消費電力の無線通信規格であるLPWA対応のネットワーク。仏SIGFOXが開発したネットワークサービスで、国内では京セラコミュニケーションシステムが基地局などのインフラに投資して、IoT専用のネットワークとして提供していく。ソラコムの新サービスSORACOM Air for Sigfoxにも採用されている。
ベンチャー企業賞としてAI分野の最優秀賞を受賞したDataRobotは、データサイエンティストいらずの、機械学習の自動化プラットフォームだ。機械学習に必要な予測モデルを、データサイエンティストに成り代わって作成するサービスで、「過去の分析ではなく、将来の予測をするためのソリューション」として提供されている。
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