「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、味の素で情報企画部長を務める古川昌幸氏のオピニオンです。
最近、欧米企業と日本企業の成長率を比較したグラフを目にすることが多い。例えばトイレタリー用品など一般消費財メーカーであるユニリーバ社は、過去10年の売上成長率が3.8倍に達する。日本の製造業も伸びてはいるが平均すると10年で1.2倍程度であり、年率で見ると横ばいに近い。一体、何がこの差を生み出しているのだろうか。
もちろん積極果敢なM&Aもあるが、デジタルトランスフォーメーション(DX)も大きな影響があるだろう。何よりもDXという言葉をメディアで目にしない日はなく、この言葉なくして事業成長を語るのは難しい。単にDX推進専門の部門を作ったりIT部門が頑張るのではなく、ビジネス部門が高い問題意識を持ち、IT部門などと一緒になって進めることがDX成功の必要条件と言われる。これを実現している企業を、筆者は「Digitalization Savvy」な企業と提案したい(Savvyは“経験豊かな”、“得意な”といった意味がある)。
現実には、日本企業においてこれをうまく実施出来ている企業は少ない。なぜビジネス部門はデジタルトランスフォーメーションをリード出来ないのだろうか。筆者は、その理由として欧米企業と比べて日本企業には2つのケイパビリティが不足していると考えている。1つは経営層やビジネス部門のITリテラシーの低さ、特に経営層のITリテラシーの低さである。使用しているPCのパスワード管理を秘書任せにしているとか、情報システムに関わることをIT部門に丸投げするとかといったことだ。
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