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[プロセスマイニング コンファレンス 2019]

RPA導入は“諸刃の剣”~プロセスマイニングで個別最適化を回避せよ!

2019年11月11日(月)

生産性向上を旗印にRPAを導入する企業が増加しているが、眼前の効果ばかり重視して部分最適の域を出ない例も少なくない。2019年9月に都内で開催された「プロセスマイニング コンファレンス 2019」(主催:インプレス IT Leaders)に登壇したハートコアの代表取締役社長 神野純孝氏は、プロセスマイニング製品「myInvenio」などを活用した、具体的な打開策を提示した。

RPAで単純業務は効率化されたが…

 企業の積年の課題である業務効率化の新たな手段として、ソフトウェアロボットで業務を代替・自動化するRPAが大企業を中心に急速な広がりを見せている。だが、「RPAには落とし穴も存在します」と警鐘を鳴らすのは、RPA製品「HeartCore Robo」を2018年にリリースして以来、350社以上を対象に導入を支援してきたハートコア 代表取締役社長の神野純孝氏である。同氏は次のように続ける。

 「RPAは単純作業の自動化に極めて効果的です。しかし、その導入で課題となるのが、目先の効率化ばかりに目が向くことで、業務の個別最適化が進みやすいということです。言い換えれば、RPAの導入は、全社業務を俯瞰的に眺めた場合に“新たな非効率”を生みかねない諸刃の剣でもあるのです」。

ハートコア 代表取締役社長 神野純孝氏

 懸念を払拭すべく同社が提案に力を入れているのが、業務システムのログデータから実務の流れを抽出して全体最適に想いを巡らすアプローチ、すなわちプロセスマイニングであり、同社ソリューション「myInvenio」の活用だ。神野氏が指摘した課題は、部門をまたがる業務全体を把握しきれていないことに起因する。ここでmyInvenioを用いれば、業務の一貫した可視化がかない、全社最適化の観点からRPA適用の適切な判断が可能となるわけだ。

 「これまでの数々の導入プロジェクトによって、当社はRPAに関する知見を豊富に蓄積しています。加えて、myInvenioは欧米を中心に900社で利用される高い機能性と優れたユーザビリティを兼ね備えており、日本語対応も既に完了しています。それらを両輪に、我々は、より大局的で効果的なRPA活用の支援に取り組んでいます」(神野氏)。

「全社」と「現場」の両視点でプロセスを可視化

 myInvenioには、業務フローの自動作成から、各種の分析、業務フローを視覚的に把握するためのアニメーション表示、ダッシュボードでの確認支援など、プロセスマイニング分野で注目される機能が高いレベルで実装されている。例えば分析機能。業務量やリードタイム、RPAの導入効果などが、業務フロー上に数値として表示され、プロセスの客観的な分析を強力に支援する。

 「それらのドリルダウン分析も可能です。リードタイムであれば、平均値と最大値、最小値、中央値を自動算出するだけでなく、数値と業務との因果関係を、業務に携わるメンバーの個々のパフォーマンスや、取引相手ごとのリードタイムにまで遡って探ることができます」(神野氏)。

 いわゆる“ベストプラクティス”と現状を照らし合わせて、乖離部分を可視化したり、乖離率を自動的にデータとして算出したりといった機能も実装。逸脱したプロセスに対しては、発生回数を基に順位付けし、対応の優先度も容易に把握できるという。

図1:myInvenioがもたらす効用の数々
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 myInvenioは、現場業務の可視化にも踏み込んだ。そのための代表的な機能が、業務遂行者の協働関係を可視化する機能だ。これにより、例えば業務上は関係が希薄であるはずの社員の協働作業の頻度が高い場合には、何らかの理由で本来業務の逸脱が強いられていると推察される。

 もっとも、myInvenioをはじめプロセスマイニング製品を活用するには、国内によく見られる“特殊事情”を考慮する必要があるという。「日本ではシステム間連携の際に、人手によるデータ加工が一般的に行われています。属人的なそれらの作業がデータによるプロセス解明の足かせとなること多々あるのです」(神野氏)。

日本特有の問題に切り込むタスクマイニング

 打開に向けたハートコアの切り札が、ユーザーによる操作履歴データを基にPC上の作業を分析するタスクマイニングツール「CICERO」である。CICEROではPCにインストールしたエージェントが、PCの操作や操作対象のファイルなどの詳細データをサーバーに送信。外部データとも組み合わせた多角的な分析により、PC上の作業内容を解明する。

 「属人化された業務までもCICEROで可視化することによって、全社プロセスがはじめて一貫性をもってつながります。のみならず、プロセスマイニングでは困難な、細かな現場作業の把握を通じて非効率の根本原因を特定できるのです」と神野氏は強調する。

図2:プロセスマイニングとタスクマイニング、それぞれのアプローチ
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 一方で、プロセスマイニングの導入を阻むもう1つの“壁”が、「ログデータをほとんど生成しない」(神野氏)スクラッチシステムの存在だ。ハートコアでは、あらゆるシステムからログデータを取得する独自の技術によって、この問題にも解決の道筋をつけられるという。

 同氏は、myInvenioの利用で成果を上げた具体的な事例も紹介した。イタリアの大手銀行では、業務プロセスの可視化とリアルタイムでのモニタリング分析を通じてボトルネックを次々と解消。また、ある保険会社では保険金請求業務を見直すことで、処理時間を従来の30~40日から5日にまで大幅短縮することに成功しているという。

 HeartCore RoboとmyInvenio、そしてCICERO。ハートコアは常に全体最適に照らしながら、ユーザーの生産性向上、さらには業務品質や競争力の向上につなげ、顧客価値の最大化に全力で取り組んでいく。


●お問い合わせ先

ハートコア株式会社

製品ページ
https://www.heartcore.co.jp/process-mining/

お問い合わせフォーム
https://www.heartcore.co.jp/contact/index.html

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