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[データマネジメント2020]

データの価値を最大化する戦略アプローチと、データドリブン文化の醸成に向けて

2020年5月27日(水)

データの価値を最大化するにはどのような戦略アプローチが必要になるのか。「データマネジメント2020」のPwCコンサルティングのセッションでは、Data&Analyticsチーム ディレクター 高橋功氏が登壇。「データの価値を最大化する戦略アプローチとケイパビリティ ~データドリブン文化の醸成に向けて~」と題して、データマネジメントのポイントを解説した。

データを企業資産にするための3つの視点

 戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供するPwCコンサルティング。業種別コンサルティング部隊と、業種横断型で専門知識や技術を提供する専門部隊を組み合わせて様々な顧客ニーズに応えている。高橋功氏は、テクノロジーコンサルティング部隊に所属し、データアナリティクスの専門テクノロジーを提供することで企業を支援している。

PwCコンサルティング合同会社 Data&Analyticsチーム ディレクター 高橋 功氏

 「Data & Analyticsチームは、グローバルで約25,000名、国内で約300名のデータエンジニア、データアーキテクト、データサイエンティストなどが在籍する組織です。データの体系化やガバナンス、高度なアナリティクス&AIを駆使し、ビジネス課題の解決から、データドリブン文化への変革に向けたデータとアナリティクスに関する戦略策定から実行までを一貫して支援します」(高橋氏)。

 IDCの調査によると、2025年に世界が創出するデータ量は175ZB(ゼタバイト)に達する見込みだ。すでに世界の3分の1の企業が、データで収益を得るためにデータの商業化や共有に取り組んでおり、マーケッツアンドマーケッツは、2023年までのグローバルなデータ収益化市場は31億2000万USドルに達すると予測している。

 「データの潜在的な価値を重視する企業が増加しています。どのようにすればデータを資産として活用できるのでしょうか。情報を真の企業資産にするためには『データの資産評価』『データマネジメントの態勢構築』『活用戦略と継続的な推進』という3つの視点で活動を定め、経営資源としての管理会計を実行していく必要があります」(高橋氏)。

データを企業資産にするための3つの視点

データから価値を創造するための7つのステップ

 データから価値を創造する、特にデータを収益化するための方法を見つけるためには、7つのステップにしたがって検討することがポイントになる。

  1. 現状整理
  2. 方向性検討
  3. データ検討
  4. 計画まとめ
  5. 目標設定
  6. 試行改善
  7. 本格展開
データから価値を想像するための7ステップ

 「まず現状整理で、自社の価値創造の現状を理解することからはじめます。複数の投資オプションを策定しながら方向性検討。データ検討ではデータ資産を精査し、投資計画を決定します。次いで、現実的な収益目標を設定し、試行、学び改善するプロセスをまわします。最後の本格展開のステップで、実行し拡大を図っていくという流れです」(高橋氏)。

 まず最初に押さえたいのは「データの価値は、戦略上のゴール達成に役立つかで決まる」という点だ。そのために「何を」「誰に」「どのように」といった点から現在の事業戦略を再整理し、「既存事業の強化」「周辺事業への参入」「新規事業の開発」といった複数のオプションを策定していく。

 「データの活用方法を検討し、具体化する過程が重要です。これまで行ってきた商品開発と同様に、市場での経験を積み、業界動向を把握し、広範なステークホルダーを巻き込んだバリューチェーンを構築していくことが成功のカギです」(高橋氏)。

 例えば、「何を」では、どんなデータ資産やデータケイパビリティ(能力)を保有しているか(取得可能か)、「誰に」では、ターゲットとすべき顧客は誰か、競争を妨げる相手はいるか、「どのように」では適切なケイパビリティやビジネスモデルをどう構築するか、戦略的パートナーは必要か、などを検討していく。

データの活用方法の検討・具体化を通じて、資産化が行われる

データ活用と価値向上を目指すための2つの方向性

 情報の収益化のためには、情報の評価が必要になる。高橋氏によると情報をどう評価するかについては、「保護」という視点から「活用」の視点へと測定基準が広がってきているのが現状だという。データの活用やデータの価値向上を目指すためには、大きく2つの方向性がある。

  • 自社内部のデータを活用した意思決定の改善
  • 外部への付加価値提供による収益化

 コスト削減を目的としたデータ活用への投資は、収益増大を目的とした投資よりも確実な成果が出やすいため堅実な実施領域だ。例えば、自社内部のデータを活用した意思決定の改善によるビジネスメリットとしては、「ビジネスプロセスの効率化や資源配分の最適化」「コスト削減/リスク低減」「データ管理・ガバナンス・ノウハウに基づく意思決定の改善支援」などがある。

 一方、外部への付加価値提供による収益化のビジネスメリットとしては、「新製品・サービス化の推進」「新しい能力をもたらす助け」「市場における差別化や競争優位の創出」などがある。

 このうち、外部への付加価値提供による収益化は、領域やインサイトの違いによって大きく4つに分けられる。具体的には、単一領域データについては、特定領域のデータの収集と販売を通じて収益化する「生データの販売」、高度な分析能力を活用し、実用的なインサイト結果を提供する「インサイト・アナリティクス結果の販売」がある。

 また、複数領域にまたがるデータについては、データを活用し現在の製品やサービスの付加価値を創造する「既存製品・サービスとデータの連携、複合データの販売」と、データとインサイトに焦点を当てた新サービスの創造と提供を行う「新製品・サービスを加える」がある。

外部への付加価値提供による収益化

 いずれにしても「データだけでなく、アナリティクスをはじめとするデータケイパビリティを整備・活用し、価値の創出に取り組むことが重要」(高橋氏)だ。

データドリブン文化の醸成に向けてデータケイパビリティを構築

 では、データドリブン文化の醸成に向けて、データケイパビリティを構築するにはどうすればいいのか。ポイントはデータマネジメントにあると高橋氏は強調する。

 「これまでの守りに重きを置いたものから、自社の利益を伸ばし、データから価値創造を実現するものへの整備を進める必要があります。そこで重要になるのが、データ活用、データ管理、データ保護という『三位一体のデータマネジメント』です。データの活用推進と保護活動の間に立ち、良質なQCDでデータ資産を維持・提供するデータマネジメントと、その連携を支えるデータガバナンスが重要なのです」(高橋氏)。

三位一体のデータマネジメント

 さらに高橋氏は、データを資産化し、価値創造を続けるためには、企業としての意識変革も必要になるとし、そのポイントとして下記の6つをあげている。

  1. 経営判断から開始
  2. 本格導入前にトライアルによる価値共有
  3. 現場のノウハウとデータによる意思決定の融合
  4. データ信頼性を担保したビッグデータの利活用
  5. トライ&エラーを許容する組織文化の醸成
  6. 検討開始時からリスクヘッジ方針を検討

 高橋氏は最後に「企業の事業戦略と融合したデータ活用を行い、データマネジメント態勢を整備して、価値化・資産化を生む出すケイパビリティを構築していってください」とアドバイスし、講演をしめくくった。


●お問い合わせ先

PwCコンサルティング合同会社
〒100-6921 東京都千代田区丸の内2-6-1
丸の内パークビルディング
TEL:03-6250-1200(代表)
E-mail:pwcjppr@jp.pwc.com
URL:https://www.pwc.com/jp/data-analytics
 

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