データマネジメント データマネジメント記事一覧へ

[Sponsored]

[データマネジメント2020]

サイロ化された業務体系が阻害要因に~DX時代の競争優位を導くMDMの成功要因とは?

2021年1月25日(月)

データ連携の基盤となるマスタデータの整備(MDM)に対して、多くの企業からの注目が集まっている。しかし、その導入と運用に際して、大きな障壁に突き当たっている企業も少なくない。MDMの導入と運用を成功させるためには、単にシステムを導入すれば良いわけではなく、既存のマスタデータの運用、そして業務面が抱えている課題についても整理、解決していかなければない。では、具体的にMDMの導入・運用に際して、どのような課題が浮上しているのか。JSOLの岡村光紘氏が、MDM・データ連携プロジェクトに立ち塞がる課題とその解決策について解説した。

MDMの導入・運用を阻害する3つの要因とは?

 業種業界を問わず、多くの企業からの注目を集め続けている「マスタデータ管理(MDM:Master Data Management)」。調査会社の報告でも、MDMの成熟度が高い組織ほど業務効率化とビジネス上の成果を獲得、優れたパフォーマンスを発揮している、との見解が示されている。

 しかし、JSOLの岡村光紘氏は、「MDMは、単にシステムを導入すれば実現できるわけではない。MDMの導入と活用を成功させるためには、事前準備から本番稼働後の運用まで、数多くの“泥臭い”作業をこなしていかなければならない。特に企業規模が大きくなればなるほど、一連の作業や調整に手を煩わされるようになる」と警鐘を鳴らす。

 事実、MDMの導入や運用が当初期待したようにいかず、悩んでいる日本企業は少なくない。岡村氏によれば、その理由には、以下に示す3つの大きな阻害要因があるという

  1. 他部門をまたがるマスタ運用の難しさ
  2. マスタ品質維持の難しさ
  3. 旧システム運用からの意識改革の難しさ

それぞれの阻害要因について、個別に解説していこう。

阻害要因①:他部門をまたがるマスタ運用の難しさ

 例えば、「得意先マスタ」ひとつとっても、各業務部門の業務に応じて必要となる項目は異なるため、コード体系をはじめ、登録や公開のタイミング等もそれぞれの部門で違ってくる。様々な業務部門で共通した基盤として活用していくためには、適切な順序・手順、責任範囲で整合性が取れたマスタデータの運用設計が必要だ。これらの作業は、企業の規模、部門の数、さらには子会社や取引先といった関わる会社の数によっても難易度は大きく変わってくる。

 「そうしたことから、まずは現状を理解し、適切に要件を整理していくことが第一となる。MDMに対する要件は企業ごとに異なっているため、汎用的なパッケージシステムが実現可能な範囲も限られている。まずはマスタデータに関する要件を十分に洗い出し、理解したうえで、いかにMDMシステムに適用していけばよいのか、整理していくことが重要だ」(岡村氏)

1つのマスタでも関係する部門が多岐にわたる

阻害要因②:マスタ品質維持の難しさ

 マスタデータの品質が悪ければ、正確なアウトプットを導き出すことは困難だ。したがって、常にコード体系に整合性がとれているなど、マスタデータを“きれいな状態”に維持できるような運用が必要となる。

 だが、日々の業務を続けていく中で、マスタデータが“汚れて”しまうケースは多い。例えば、登録済のマスタコードを十分に確認しないまま、新規コードの払い出しが行われるケースは少なくない。また、実務に直接関係しない分類コードへの設定内容チェックが不十分であるケースも多々見受けられる。これらのチェックはシステムを用いて行うことも可能だが、人手による判断が必要な場面もあるため、やはり、業務側の目線でマスタデータの品質を担保していかなければならない。

 「特に部門や企業間にまたがるマスタデータの品質維持では、マスタデータの運用管理を統制する組織を設け、品質維持に取り組む必要がある」と岡村氏は強調する。そうした運用体制の整備に加え、名寄せやクレンジング等の機能を有したツールやAIの活用といったシステムを用いて、品質維持を行っていくことが重要だ。

マスタデータは日々汚れていく

阻害要因③:旧システム・運用から意識改革の難しさ

 従来、物流、会計、営業等、部門ごとに個別最適化されたシステムで運用されていたマスタデータを統合するにあたっては、各業務部門の担当者の意識改革も不可欠となる。

 マスタデータ統合にあたっては、これまでサイロ化された部門内で完結してきた業務とシステム運用に慣れてきた現場業務担当者からの反発も少なくない。業務改革の必要性や、新しい業務内容を十分に理解してもらうための教育や啓蒙活動が必須となる。これらの活動を通じて、各部門の業務担当者に「自部門だけのマスタではなく、皆が使っていくマスタデータである」という意識を醸成し、運用にあたってもらうようにしていかなければならない。

マスタデータを「個別最適」から「全社最適」へ切り替える必要がある

MDMの推進にはトップダウンによるメッセージも重要

 長年、企業のMDMの導入・運用を支援してきたJSOLでは、MDMソリューション「J-MDM」を提供している。岡村氏は、「J-MDMは、これまで当社が手掛けてきたERP導入、およびその過程で生じたMDMプロジェクトで蓄積した多くのノウハウを投入している。ゆらぎ検索やリアルタイム検索、定期クレンジングなど、MDMに必要な機能を網羅しているのはもちろん、最大の特徴は、他部門をまたいだ業務運用や登録フローを適切に進めていくための『ワークフロー』機能を実装している点だ」と説明する。

 例えば、A部門がマスタデータを登録したら次がB部門、その後にC部門、といったように全社間を通じた統合されたワークフローの可視化と適用が可能だ。また、担当部門に応じて入力や参照の制限を各種パラメータでコントロールすることもできるという。

既存システムとMDMの連携によりデータ品質を維持

 現在、J-MDMは機能拡張が進められている。その1つが、外部の企業データベースサービスとの連携だ。また、カスタマイズに要する負担を抑制するためノンアドオンによる導入を行えるよう、画面レイアウト等をパラメータの変更だけで修正可能な「自由レイアウト」等の機能を提供する計画だという。

 このほか、JSOLでは、商品情報管理に特化したクラウドサービスの「PlaPi (Platform for Product Information)」も展開。商品管理に特化したマスタデータ管理基盤の、迅速で低コストかつスモールスタートでの導入を支援している。

 ここまでマスタデータの統合に関して押さえておくべき注意点を解説してきたが、岡村氏は、「全社的なMDMを円滑に進めていくためには、トップの協力や支援も必要だ」と訴える。

 先にも述べた通り、MDMの全社導入を進めていく過程で、現場からの反発が生じるケースは少なくない。対して、「同じシステムを企業内で活用していくことで運用コストを削減する」「業務を平準化するためにマスタデータ統合する」など、MDMを実施する目的をトップダウンにより、明確にメッセージしていかなければならない。

 最後に岡村氏は、「JSOLは、MDMソリューションの提供について10年以上の経験を有しており、導入・運用の課題を解決するためのノウハウ、そして多くの成功事例を提示することができる。MDMの導入・運用に関して、もし悩みがあるのであれば、是非一度お声がけいただきたい」とアピールした。


●お問い合わせ先

株式会社JSOL
URL:https://www.jsol.co.jp/

 

バックナンバー
データマネジメント2020一覧へ
関連記事

トピックス

[Sponsored]

サイロ化された業務体系が阻害要因に~DX時代の競争優位を導くMDMの成功要因とは?データ連携の基盤となるマスタデータの整備(MDM)に対して、多くの企業からの注目が集まっている。しかし、その導入と運用に際して、大きな障壁に突き当たっている企業も少なくない。MDMの導入と運用を成功させるためには、単にシステムを導入すれば良いわけではなく、既存のマスタデータの運用、そして業務面が抱えている課題についても整理、解決していかなければない。では、具体的にMDMの導入・運用に際して、どのような課題が浮上しているのか。JSOLの岡村光紘氏が、MDM・データ連携プロジェクトに立ち塞がる課題とその解決策について解説した。

PAGE TOP