[新製品・サービス]
キヤノンITS、Webアプリ自動生成ツール新版「Web Performer V2.4」、外部部品やスクラッチ開発の組み込みが容易に
2020年5月12日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
キヤノンITソリューションズは2020年5月12日、Webアプリケーション自動生成ツールの新版「Web Performer V2.4」を発表した。同日販売を開始した。クラウドサービスの「WebPerformer Cloud」も新版とした。新版では、Webアプリケーション画面にサードベンダーが提供するJavaScript部品やスクラッチで個別開発した部品を簡単に組み込めるようにした。
キヤノンITソリューションズの「Web Performer」は、Webアプリケーションをノンプログラミングで開発するローコード開発ツールである。Java開発のIDE(統合開発環境)であるEclipseのプラグインとして動作する(関連記事:キヤノンITS、Webアプリケーション自動生成ツール新版「Web Performer V2.3」、テストシナリオも自動生成可能に)。
Web Performerを用いたWebアプリケーション開発では、データベースのスキーマ情報(項目の属性や名前など)、業務フロー(登録、更新、既存の業務フローの呼び出しなど)、画面情報(表示項目、レイアウト)の3つの情報を生成するだけでよい。これらの情報からJavaのソースコードを自動生成する。画面仕様のドキュメントなども自動生成する。
クラウドサービスのWebPerformer Cloudも用意している。Web Performerの利用環境をAWS(Amazon Web Services)上で提供するサービスである。クラウドサービスであるため、開発環境のPCを用意してJava環境などを整備する必要がなく、すぐにWebアプリケーションの開発に着手できる(関連記事:キヤノンITS、Webアプリの超高速開発環境をAWS上で提供、Webブラウザ経由でリモート開発)。
新バージョンのV2.4では、自動生成するWebアプリケーション画面に、サードベンダーが提供するJavaScript部品やスクラッチで個別開発したJavaScript部品を簡単に組み込めるようにした。また、サーバー側のロジックのカスタマイズ範囲を拡張した(図1)。
拡大画像表示
これにより、Web Performerによる自動生成と、部品やスクラッチ開発を柔軟に組み合わせて開発できるようになった。Web Peformerの適用範囲が広がったほか。開発生産性が高まった。エンドユーザーからのWeb画面や操作性に関する要望にも対応しやすくなることで、ユーザビリティも向上する。
システム利用状況を可視化する機能も強化した。Web Performerで自動生成したWebアプリケーションの出力ログを詳細なものにした。出力ログを、一般的なログ分析ツールと組み合わせることで、Webアプリケーションの利用状況を可視化、分析できるようになった。
例えば、各画面で実行する機能の処理時間、エラーチェックの実行頻度を可視化でき、レスポンス改善や操作性向上に向けた分析、素早いシステム改修へとつなげられる。システム運用者の分析・調査の負荷を軽減できるほか、システム開発者と運用者間のコミュニケーションが円滑になるとしている。
Web Performer V2.4の価格(税別)は、自社運用アプリケーション開発用の「WebPerformerユーザライセンス」が最小構成3ライセンスで360万円。外部システム開発・年間利用のSIベンダー向けライセンスが最小構成2ライセンスで150万円。WebPerformer Cloudの価格は、同時アクセスできる開発者が2人までの最小構成で月額30万円、同時アクセス5人で月額50万円。