Arcserve Japanは2020年7月1日、クラウド型のデータバックアップサービス「Arcserve UDP Cloud Direct」を強化し、データの格納先として日本国内のデータセンターを選べるようにしたと発表した。2020年7月20日から受注を開始する。これまでは米国西海岸のデータセンターしか選べなかった。
Arcserve Japanの「Arcserve UDP Cloud Direct」は、イメージバックアップソフトウェア「Arcserve Unified Data Protection(Arcserve UDP)」を活用した、クラウド型のデータバックアップサービスの1つである。専用のエージェントソフト(Windows、Linuxなど)をインストールしたバックアップ対象マシンのデータを、直接クラウドにバックアップできる。2019年8月28日から提供している(関連記事:Arcserveがクラウド型のデータバックアップサービス、オンプレミスの複製やダイレクト保存が可能)。
従来、Arcserve UDP Cloud Directのバックアップデータは、米国西海岸のデータセンターに保管していた。今回、米国西海岸に加えて、新たに日本国内のデータセンター(東日本リージョン)を保存先として選べるようにした。これにより、セキュリティポリシーの都合で機密データを海外に置けない企業でもArcserve UDP Cloud Directを利用できるようになった。
Arcserve UDP Cloud Directの機能は、オンプレミスのArcserve UDPに準じる。バックアップデータは、増分バックアップでクラウドに転送する。エージェントとクラウドはSSLで暗号化通信する。クラウド上ではAESで暗号化して保存する。バックアップデータからは、ファイル/ボリューム単位で復元できる。
バックアップ先のクラウドは、DR(災害復旧)サイトとして使える。バックアップ済みのデータを使って、業務サーバーなどを仮想マシンとしてクラウド(Hyper-V)環境で立ち上げられる。立ち上げた業務サーバーにVPN経由でアクセスできるほか、オプションでIPv4アドレスを付与してインターネットに公開できる。
価格(税別)は、1年間のサブスクリプションがデータ1TBあたり24万円から、3カ月のサブスクリプションがデータ1TBあたり6万円から。
なお、オンプレミスのArcserve UDPをクラウドにレプリケーションできるサービス「Arcserve UDP Cloud Hybrid」については、以前からレプリケーション先として国内のデータセンターを選択できる。