帝人は、新素材の迅速な開発を目的に、各種データを一元管理する統合データベースを中核としたマテリアルズインフォマティクス(MI)の仕組みの構築に注力する。さらに、フィジカル空間から収集して蓄積したデータをサイバー空間で分析・知識化するサイバーフィジカルシステム(CPS)の構築も計画する。システム開発を支援する日立製作所が2020年7月20日に発表した。
帝人は、新素材を迅速に開発するためにマテリアルズインフォマティクス(MI)に注力する。研究者や組織が持つ実験データなど各種データを収集し、データレイクを構築して統一的にデータベース上に蓄積する。これらフィジカル空間から収集して蓄積したデータをサイバー空間で分析・知識化するサイバーフィジカルシステム(CPS)を構築する(図1)。
図1:帝人は、新素材の開発で、マテリアルズインフォマティクスに注力し、サイバーフィジカルシステムを構築する(出典:日立製作所)拡大画像表示
MIは、蓄積したシミュレーションデータや実験データを分析し、材料の構造と性能の相関関係を迅速に明らかにする手法のこと。これまで研究者の経験と直感に依存していた材料探索を、AIやデータ分析などを活用して実施する。一方、CPSは、実世界のデータを収集してサイバー世界で分析・知識化し、実世界側にフィードバックするシステムのことである。
研究者と技術の関連性を、社内技術情報や社外の特許情報などのテキストデータを元にテキストマイニングを用いて加工・抽出して蓄積する。「だれが何を知っているのか」「どこにどんな業務の経験者やエキスパートがいるのか」といった研究者と技術の関係性を可視化する。人的リソースの情報を、統合データベースで一元的に蓄積・検索できるようにする。
実験データを管理する機能によって、実験室や分析室など複数箇所で生成する実験データや実験条件などのメタデータの関係を紐付け、データを構造化し、統合的な実験データの解析を支援する。
また、単語抽出AIを組み込むことで、特許公報から材料開発に必要なデータや図表データを自動で高精度に抽出。電子顕微鏡などの画像から素材の成り立ちなどを捉えられる形態指標を抽出する機能を提供し、データの意味づけや解釈の定量性をより高めることを目指す。
同時に「R&Dポータルサイト」を構築する。統合データベースに蓄積された情報や、各部署の技術・ノウハウを可視化する。研究者と部署など、人や組織・技術の関係性を紐づけ、研究開発の効率向上、開発スピード向上につなげる。また、研究者同士のコミュニケーションのためのチャット機能を備え、社内外の会議でのやり取り(音声データ)を、自動的にテキスト化する機能も持つ。
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