[調査・レポート]

2020年第2四半期のPC出荷実績は2019年同期を維持、テレワーク需要から家庭でのPC購入が進む─IDC

2020年9月7日(月)IT Leaders編集部

IDC Japanは2020年9月2日、日本国内におけるトラディショナルPC(デスクトップPC、ポータブルPC、ワークステーション)市場の出荷実績を発表した。2020年第2四半期(4月~6月)の出荷台数は、法人市場が前年同期比17.0%減の237万台、家庭市場は同40.7%増の159万台、両市場を合わせると、同0.7%減の396万台となっている。

 IDC Japanが、日本国内におけるトラディショナルPC市場の出荷実績を発表した。今回の調査は、同社が実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などを基に、独自の分析を行い算出したものである。国内のトラディショナルPC市場には、デスクトップPC、ポータブルPC、ワークステーションが含まれる(x86サーバーは含まない)。

 同社によると、2020年第2四半期は、2019年の活況の反動から落ち込みが予想できたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐための対応策としてテレワーク/在宅勤務が促されて家庭でのPC購買が急増し、全体では2019年同期とほぼ同レベルの出荷数を維持する結果となった。

 法人市場では、在宅勤務があまり進んでいなかった中小企業を中心に、ノートPCの購入が進んだ。国や地方自治体が提供する感染症対策補助金/在宅勤務推進のための助成金も、中小企業によるPCの購入を後押ししたとIDC Japanは見る。

 文部科学省が推進するGIGAスクール構想向けのノートPCの出荷が第2四半期に始まり、法人市場を底上げした。この結果、2019年同期に2018年同期比64.0%と大きく伸長した市場に対し、2桁減ではあるものの17%減にとどまる結果となった。

 中小企業を中心に、在宅勤務で使用するPCを家庭で購入するための補助金を出す企業も出現するなど、家庭で仕事をするためのPC需要が急拡大した。感染症のために学校や塾が閉鎖となり、オンラインで受講する教育コンテンツに対する需要が高まり、子ども向けにPCを購入する動きが活発化した。家庭市場では、学習や仕事関連の需要でノートPCだけでなく、デスクトップPCの購買も急拡大した。

 2020年第2四半期の会社別の出荷数上位5社は、以下のとおり(図1)。

図1:日本国内における2020年第2四半期のトラディショナルPC出荷実績(会社別の実績)(出典:IDC Japan)図1:日本国内における2020年第2四半期のトラディショナルPC出荷実績(会社別の実績)(出典:IDC Japan)

 シェアトップのレノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で2019年同期比3.3%増だった。新型コロナウイルス感染症対策とGIGAスクール構想の特需をうまく捉え、法人市場と家庭市場で好調だった。

 日本HPの前年同期比は、9.4%減と市場平均(0.7%減)を下回る結果となった。法人市場でGIGAスクール構想向けの出荷がなかったため、競合と比較して不調だった。家庭市場における躍進を相殺する結果となった。

 デルは、2019年同期比10.2%増と好調を維持し、日本HPのシェアとの差が約1ポイントまで迫った。新型コロナウイルス感染症対策とGIGAスクール構想の恩恵を受け、法人市場および家庭市場で絶好調だった。

 2020年8月にシャープの完全子会社となったDynabook(ダイナブック、旧社名:東芝クライアントソリューション)は、出荷数では4位を維持したが、2019年同期比では17.2%減と低調だった。部材の調達が、法人と家庭の両市場における予想以上の需要の急拡大に追い付かなかったとIDC Japanは見ている。

 アップルは、上位5社の中でトップの成長率(前年同期比15.2%増)を示し、シェア4位のシャープ/Dynabookに迫る勢いを示した。

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