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三井物産、国内8000人の基幹システムをSAP S/4HANAに移行完了、インスタンスを1つに統合

2020年12月2日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三井物産は、基幹系システムをSAP ERPからSAP S/4HANAへと移行するプロジェクトを完了した。国内の2つのインスタンスを統合し、動作環境をパブリッククラウドのMicrosoft Azureに移行した。新しい基幹システムは2020年9月から本番稼働を開始している。システム構築を手がけた三井情報(MKI)が同年12月2日に発表した。

 三井物産は、同社の基幹系システムを稼働するSAP ERP Central Component(SAP ECC)6.0製品保守期間が2027年に期限を迎えることを受け、早期からSAP S/4HANAへの移行に取り組んできた。

 2018年9月には、約40カ国3500人が利用する海外拠点の移行プロジェクトに着手。稼働基盤をプライベートクラウドからパブリッククラウドのMicrosoft Azureに移行し、2019年11月に稼働させている(関連記事三井物産、基幹システムをSAP ERPからSAP S/4HANAに移行、2019年11月から本番稼働)。

 2019年9月には、三井物産の国内拠点とグループ会社の約8000人が利用する基幹システムの移行プロジェクトに着手。2020年9月より稼働開始した(関連記事三井物産、国内の約8000人が利用するSAP ERPをSAP S/4HANAに移行、2020年夏に本稼働)。図1は、同プロジェクトの概要である。基幹システムの運用コストとリソースを削減するため、それまで国内拠点と国内グループ会社の2つに分けて運用していたインスタンスを1つに統合した。稼働基盤は海外拠点と同様、プライベートクラウドからパブリッククラウドのMicrosoft Azureに移行している。

図1:三井物産が国内で運用している基幹システムをSAP S/4HANAに移行させるプロジェクトの概要(出典:三井情報)図1:三井物産が国内で運用している基幹システムをSAP S/4HANAに移行させるプロジェクトの概要(出典:三井情報)
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 システムの移行には、システムコンバージョン方式を採用した。既存の基幹システムで利用しているアドオンを流用することで、業務への影響を減らした。三井情報によると、これにより、基幹システムを再構築するリビルド方式と比較して、移行にかかるコストを約6分の1に削減した。移行期間も約半分に短縮できたという。

 インスタンスの統合によって運用にかかるリソースが減ったことで、ランニングコストも削減できたとしている。さらに、基幹システムのワークフロー機能を拡充し、S/4HANA内で承認が完結するプロセスを増やした。これにより、ペーパーレス化が進み、リモートワークにおいても滞ることなく承認作業が可能になった。

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