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京都大学の基礎物理学研究所、新スパコン「Yukawa-21」が稼働、3.8倍の性能向上

2021年2月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

京都大学の基礎物理学研究所は、新たなスーパーコンピュータシステム「Yukawa-21」を2021年1月に稼働させた。デル・テクノロジーズのサーバー機137台を採用して構築、旧システムと比較して約3.8倍の性能向上を実現したとしている。デル・テクノロジーズが同年2月18日に発表した。

 京都大学の基礎物理学研究所は、新たなスーパーコンピュータシステム「Yukawa-21」を2021年1月に稼働させた(写真1)。性能は、旧スーパーコンピュータシステムの約3.8倍になった。これにより、理論物理学の基礎的な分野において、計算物理学による研究を加速する。複雑な自然現象を解明する革新的な手法の開発や、新しい研究対象の開発に活用するとしている。

写真1:スーパーコンピューターシステム「Yukawa-21」の外観(出典:デル・テクノロジーズ)写真1:スーパーコンピューターシステム「Yukawa-21」の外観(出典:デル・テクノロジーズ)
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 図1に、Yukawa-21のサーバー構成を示す。CPUによる大規模計算サーバークラスタとして、Xeon Platinum 8280プロセッサを4個搭載した「Dell EMC PowerEdge R840」サーバー×135台を使う。さらに、GPU計算サーバーとして、Xeon Platinum 8280プロセッサを4個とNVIDIA V100 TensorコアGPUを2個搭載した「Dell EMC PowerEdge R940xa」サーバー×2台を使う。冷却には、水冷ユニット「Passive Rear Door Cooling Unit」を採用した。

図1:スーパーコンピューターシステム「Yukawa-21」の全体構成図(出典:デル・テクノロジーズ)図1:スーパーコンピューターシステム「Yukawa-21」の全体構成図(出典:デル・テクノロジーズ)
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 サーバー機群を相互に接続するインターコネクトには、400Gbit/sのEthernetスイッチ「Dell EMC PowerSwitch Z9332F」を使っている。ツリー構造の経路を多重化したFatTree構造で個々のサーバーを接続した。また、TCP/IPプロトコルスタックのオーバーヘッドを回避するRoCE(RDMA over Converged Ethernet)を用いて低遅延・高スループットの通信を実現した。

 なお、基礎物理学研究所は、素粒子分野、原子核分野、宇宙分野、物性分野、量子情報分野の理論物理学の研究を行っている。すべての理論物理分野において、さらなる大規模な数値計算を実現するため、スーパーコンピュータシステムを刷新した。同システムは、全国の理論物理学研究者が利用する。

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