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大阪大学CMC、CPU/GPU/ベクトルが混在した多用途のスパコン「SQUID」を運用開始

2021年5月7日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

大阪大学サイバーメディアセンター(大阪大学CMC)は2021年5月6日、スーパーコンピュータシステム「SQUID」の運用を開始した。総理論演算性能は16.59PFLOPSである。CPU、GPU、ベクトルプロセッサの3種類のノードで構成する。数値計算や科学シミュレーションなどのHPC分野の計算需要に加えて、ディープラーニング(深層学習)やビッグデータ解析などのHPDA分野の計算需要を収容する。

写真1:大阪大学サイバーメディアセンターが運用を開始したスーパーコンピュータシステム「SQUID」の外観(提供:NEC)写真1:大阪大学サイバーメディアセンターが運用を開始したスーパーコンピュータシステム「SQUID」の外観(提供:NEC)
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 大阪大学CMCは、スーパーコンピュータシステム「SQUID」(写真1)の運用を開始した。最大の特徴は、多様な計算ニーズを収容することを目的に、汎用CPUノード、GPUノード、ベクトル計算ノードという、性質が異なる3種類のノードで構成する点である。数値計算や科学シミュレーションなどのHPC分野の計算需要に加えて、ディープラーニング(深層学習)やビッグデータ解析などのHPDA分野の計算需要を収容する。

 汎用CPUノード×1520ノード、GPUノード×42ノード(1ノードあたりNVIDIA A100 TensorコアGPUを8基搭載)、ベクトル計算ノード×36ノード(1ノードあたりSX-Aurora TSUBASA 8基を搭載)で構成する。ノード間接続はInfiniBandである。システム全体で、最大理論性能16.5PFLOPS超を供給可能、としている。

 ストレージ環境は、データダイレクト・ネットワークスの並列ファイルシステム型ストレージソフトウェア「EXAScaler」を搭載したストレージアプライアンス(大容量データ領域20PBと、高速データ領域1.2PBで構成)である。この上でさらに、クラウディアンのオブジェクトストレージ「HyperStore」を利用する。クラウドサービスや他研究機関との間でデータを共有できるようにしている。

 データ漏洩に対する安全性も確保した。キャンパス内の他部局に配置してあるストレージ上のデータを、データを移動させることなく、新システム上の計算ノードで計算・解析できるようにした。さらに、計算・解析にあたっては、特定の利用者に計算ノードやネットワークを動的に分離・隔離する仕組みとし、計算に使うデータと実行結果が他の利用者に閲覧できないようにした。

 医療分野や企業においてはこれまで、所有するデータを外部に持ち出せないことが障壁となって、社外の計算機を利用できない課題があった。今回のセキュリティ機能を用いることによって、利用者向けに隔離した環境を動的に用意できるため、これまで利用できていなかった分野でも利用できるようになった。

 パブリッククラウドの計算リソース(AzureおよびOracle Cloud)も利用する。負荷が高いときに、計算処理の一部をクラウド上の計算リソースに割り当てられるようにした。利用者にとっては、オンプレミス環境の計算環境と同じ使い方でありながら、急なリソース需要の高まりに対応できるようになる。

 大阪大学CMCは、2021年5月6日から2021年7月末までの期間、試験運転をかねて、今後SQUIDの利用を検討する企業や研究所などに対して、スーパーコンピュータシステムの環境を無料で開放する。試験運転の後、2021年8月からSQUIDの正式運用を開始する。

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