AI学習用データを販売しているオーストラリアのAppenは、2021年8月に日本法人のアッペンジャパン(本社:東京都千代田区)を設立した。同年11月4日、Appenとアッペンジャパンが説明会を開き、同社のAI学習用データ事業について説明した。ユーザー企業は、AI学習用のデータをAppenから入手できる。Appenがあらかじめ用意している既成のデータを購入できるほか、ユーザーの要件に合わせてデータを収集したりラベル付けしたりするマネージド型のサービスも提供する。
AI学習用データを販売しているオーストラリアのAppenは、2021年8月に日本法人のアッペンジャパンを設立した。ユーザー企業は、AIに学習させるためのデータ(画像データや音声データなど)をみずから用意したり、データにラベルを付けたりすることなく、Appenから入手したデータを使って学習させる使い方ができる(図1)。
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学習用データは、Appenが用意している既成のデータセットから、ラベル付けの言語や、欲しいデータの内容(特定の対象を映した画像など)を選んで購入できる。さらに、ユーザー要件に個別に対応するマネージドサービスも用意している。マネージドサービスでは、ユーザー企業の要件を聞き取った上で、要件に合ったデータをAppenが収集し、ラベルを付ける。ユーザーがデータを用意し、これにラベルを付けてもらう使い方もできる。
米国と欧州においては、学習用データのサブスクリプションサービスも提供している。年間に使うデータ量やデータタイプに応じて金額を算出し、年間購読や半年購読、3カ月購読のような形でサブスクリプション型で提供している。
Appenが提供するサービスの特徴は、100万人以上のクラウドワーカーと契約し、データにラベルを付けるアノテーション作業を実施していることである。Appenでは、「AI市場の平均よりも3倍速いスピードで学習用データを提供できる」とアピールしている。ラベル付けを機械的に自動化するやり方もあるが、クラウドワーカーがラベルを付けることで、品質の高い学習用データを用意できるとしている。