[市場動向]

IBMから分社したキンドリルジャパン、クラウドなど6つの技術領域に注力

2021年9月より事業開始、専門家の集まりであることをアピール

2021年12月9日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米IBMのインフラサービス事業を分社した米キンドリル(Kyndryl)の日本法人、キンドリルジャパン(東京都中央区)は2021年12月9日、説明会を開き、事業内容を説明した。同年9月1日に事業を開始し、日本IBMから引き継いだインフラサービス事業を営む。注力する技術領域はクラウド、メインフレーム、デジタルワークプレイス、アプリケーション&データAI、セキュリティー&レジリエンシー、ネットワーク&エッジの6つである。自社の価値として専門家の集まりであることをアピールしている。

 キンドリルジャパンは、米IBMのインフラサービス事業(アウトソーシングやホスティングを担う事業)を分社した米キンドリル(Kyndryl)の日本法人である(関連記事1IBMのインフラサービス事業を分社した米Kyndrylの日本法人、キンドリルジャパンが2021年9月1日に営業開始関連記事2米IBMのサービス事業分離は、ユーザー企業に吉か凶か?)。日本IBMからインフラサービス事業を引き継いで、2021年9月1日から事業を開始している。本社は日本IBMの本社ビルと同じ東京都中央区日本橋箱崎町で、社員数は関連会社を含めて約4200人である。

 図1は、キンドリルジャパンの組織体制である。産業別に5つの事業本部がある(金融、保険、製造、流通、公共・通信・メディア・公益)。これとは別に、それぞれの事業本部を支える部署として、ストラテジックサービス本部、テクノロジー本部、カスタマーマネージメント本部がある。

図1:キンドリルジャパンの組織体制(出典:キンドリルジャパン)図1:キンドリルジャパンの組織体制(出典:キンドリルジャパン)
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 100%子会社として、情報システム開発・運用の受託サービスや製品を提供するキンドリルジャパン・テクノロジーサービス(KJTS)と、グループの管理業務を担うキンドリルジャパン・スタッフオペレーションズ(KSOK)がある。これらを含めた3社でグループを形成している(図2)。

図2:キンドリルジャパングループの構成(出典:キンドリルジャパン)図2:キンドリルジャパングループの構成(出典:キンドリルジャパン)
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 デリバリーを担うKJTSには、日本IBMの子会社各社でインフラ事業を担っていた社員が集合している。日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)、日本アイ・ビー・エム共同ソリューション・サービス(CSOL)、地銀ソリューション・サービス(RBSS)、日本アイビーエム中国ソリューション(IGSCH)などである。

 キンドリルジャパンが注力する技術領域は6つ(図3)。クラウド、メインフレーム、デジタルワークプレイス、アプリケーション&データAI、セキュリティー&レジリエンシー、ネットワーク&エッジである。サービスの内容として、コンサルティング、構築、運用をカバーする。提供形態は、個別対応と標準化モデルの両面をカバーする。人材については、プロジェクトマネジャーを1000人、アーキテクトを300人、技術エンジニアはパートナーとの協業で1万人を擁している。

図3:キンドリルジャパンが注力する技術領域とサービス内容、提供形態(出典:キンドリルジャパン)図3:キンドリルジャパンが注力する技術領域とサービス内容、提供形態(出典:キンドリルジャパン)
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 説明会では現在の事業戦略を示した。「まずはシステムの安定稼働を実現する。品質を管理し、有事の際にしっかりと動ける体制を確保する。次に、インフラの設計・構築・モダナイズを図る。その次に、産業に共通するIT基盤や、業界を超えて共通利用できるIT基盤を実現する。最後に、新たなビジネスモデルをパートナー企業とともに作っていく」(同社)。

  キンドリルは、IBMの1部門としてインフラサービス事業を提供していた分社前には展開が難しかった自動化、データサービス、マルチクラウドサービスといった市場をターゲットに加えている。図2は同社の事業対象となる市場の成長予測を示したものだ。上記の市場を含めた市場規模は、分社後の現在は4150億ドルだが、2024年には5100億ドルと、年平均で7%成長すると同社は見ている。

図2:キンドリルの事業対象となる市場の成長予測(出典:キンドリルジャパン)
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