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[IT Leaders Tech Strategy LIVE 2022年以降の「デジタルワークプレイス」その必要条件]

情報共有やリモートワークの課題をグループウェアで解決─事例に学ぶ活用と定着のポイント

2022年2月3日(木)

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の蔓延で、企業の新たな課題として持ち上がってきたのが、リモートワークへの対応。ニューノーマルに備えた継続的な実践に向けて、システムを整備しようという企業も少なくないはずだ。ネオジャパン マーケティング統括部の奥田彩音氏は、2021年12月1日にオンラインで開催された「2022年以降の『デジタルワークプレイス』その必要条件」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションで、グループウェアによる情報共有の方法、その社内浸透の方法を2つの事例で説明した。

新システム導入に加え、利用の習慣付けでも苦労する

 DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革の推進などにより、企業が新しいシステムを導入する機会が増えている。特にコロナ禍を機に注目されることになったのが、在宅勤務への対応。リモートワーク体制を整備する事例は増加しており、これをきっかけに働き方改革を推進していこうという企業も多いようだ。

 例えばリモートワークを滞りなく実践するとなると、ネットワークの対応のみならず、承認フローや情報共有を支援するためのシステム、リモート会議システムの導入も必要となるだろう。これらを片っ端に導入していくのはコストがかかるうえ、IT部門の負担も大きくなる。

ネオジャパン マーケティング統括部の奥田彩音氏

 ネオジャパン マーケティング統括部の奥田彩音氏は「やっとの思いで新しいシステムを導入したとしても、その後に十分に活用されていないというケースは少なくありません」と指摘。表層的なシステム導入だけではなく、その後の活用にまで思いを巡らせて取り組むことの重要性を訴えた。

 システムの移行に伴い使い勝手が変わってしまうと、ユーザーは新しい操作方法を学ぶ必要がある。ましてや手作業をシステムに置き換えるとなると、使い方を一から憶えるだけでなく、利用習慣を身に付けてもらわなければならない。奥田氏は、ネオジャパンが提供するグループウェアが、そういった課題に有効であると訴求。当セッションでは、西日本クリーンつくしのグループ、ライフプラザパートナーズという2社の導入事例で、グループウェアがどのように課題を解決するかを説明した。

意思決定の遅れをワークフローで解決

 福岡県筑紫野市に本社を置く西日本クリーンつくしのグループは、ビルの清掃・管理業務や受付業務などを手掛ける総合ビル管理会社。業務の多くが現場作業であることからIT活用が遅れていた。専任のIT担当者はおらず、事業所間の情報共有はメール、電話、ファクスが主体。高齢の従業員もいることからITスキルが平均化されていない状況だった(図1)。

図1:西日本クリーンつくしのグループの以前の情報共有体制(出典:ネオジャパン)
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 同社が直面していた課題は、意思決定の遅れ。奥田氏によると、「紙の書類が承認者を転々とし、グループ企業を跨いで承認が必要な場合には、事業所にわざわざ持っていくという物理的な移動も発生していました」としており、紙にかかるコストや移動にかかる時間などが問題視されていたという。社内では、電子申請を導入すべきという声も挙がっていたが、決裁のスピード化やペーパーレス化だけでなく、スケジュール共有などの情報共有を円滑にする機能を持ち合わせたグループウェアを検討することになった。

 グループウェアの導入にあたっては、IT担当者がいなくても管理や設定が行えるのか、高齢者などITに苦手意識を持つ社員でも活用できるのかといった不安要素があった。そこで、いかに導入までのハードルを下げられるか、ITスキルにかかわらず利用できるかという採用基準を設け、これを満たしのが、ネオジャパンのグループウェア製品「desknet’s NEO」だった。

IT活用社会の動向を学ぶ勉強会で“意識付け”を実施

 西日本クリーンつくしのグループは、製品検討から約6カ月という短期間で正式導入に至っている(図2)。その最たる要因は製品の使いやすさにあった。わかりやすいインタフェースがdesknet’s NEOの強みとするところだ。

図2:西日本クリーンつくしのグループの導入スケジュール(出典:ネオジャパン)
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 新たに承認システムを導入する際に、現場の混乱を避けるため既存の紙の申請書式をワークフロー上で再現する場合がある。帳票作成にプログラミングの知識を必要とするシステムも多いなかdesknet’s NEOは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で作成できるという点も評価された。

 簡単なマニュアルさえ用意しておけば、ITを使い慣れていない社員でもある程度使いこなせるようになると確信し、オリジナルの操作マニュアルの作成を決めたものの、実際に使われないことには意思決定の遅れという課題は解決できない。新システムを社内に浸透させることが新システム導入の成否を分けるポイントとなる。

 そこで実施したのが、desknet’s NEOの直接的な製品教育ではなく、IT活用社会の最新動向を学ぶ社内勉強会。「IT活用の可能性など、時代の変化をしっかりと受け止めてほしいという思いから、働き方や仕事への捉え方を変えるような“意識付け”を行いました」(奥田氏)。

 西日本クリーンつくしのグループでは、紙での申請業務をdesknet’s NEOのワークフロー機能に置き換えたことで、承認者の押印作業は約90%削減された。申請書を承認者の元に持っていくことなく、PCやスマートフォンで承認作業を行えるようになったことで、意識決定のスピードを上げることができたという。

掲示板機能の移行でグループウェアを選択

 ライフプラザパートナーズは、50の保険会社が扱う生命保険、損害保険、少額短期保険などの保険商品を取り扱う訪問型の総合保険代理店。同社では、保険商品の発売や改訂といった各保険会社からの通達や業務情報が日々更新されるなど、確認や共有すべき情報が多く、社員の情報共有意識も総じて高い水準にあった。しかし、従来から使っていたグループウェアの掲示板機能は使用頻度が高いにもかかわらず情報の取捨選択が難しく、社員の多くが不満を抱えていたという。一方で、毎年100人ペースで社員数が増加していた(図3)。

図3:ライフプラザパートナーズのグループウェア導入の背景(出典:ネオジャパン)
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 こうした状況を踏まえ、組織の将来を見据えたツールの見直しに着手した。目指したのは、「情報の発信と伝達、共有管理が的確に行える」「迅速な意思決定、承認決済が行える」「適切なコストでの継続運用できる」という環境。なにより社員が主業務に集中しやすい職場環境を提供する、という観点から、「見やすさ」「使いやすさ」「管理しやすさ」という3つの選定基準を設けた。その結果選ばれたのが、desknet’s NEOだったという。

 ライフプラザパートナーズでは、課題だった掲示板機能をdesknet’s NEOのインフォメーションという情報共有機能に移行した。インフォメーションは、周知したい情報を特定のメンバーやグループに対して掲示、参照させることができる機能。複数のカテゴリーに分類できるため、閲覧者は必要な情報にアクセスしやすくなる。

 利用頻度の高い機能をグループウェアの一機能に置き換えたことで、業務開始時にグループウェアにログインする習慣がつく。それが、ログインして最初に表示されるポータル画面の利用につながった。ポータル画面では、部門別、職種別に16のタブを設定して運用、ユーザーは必要に応じて複数のコンテンツを切り替えて情報に素早くアクセスできており、業務効率の向上にも貢献しているという。

 ワークフローも活用している。desknet’s NEOの導入後、電子申請や出退勤など125種類の申請書をワークフローに移行しており、コロナ禍における出社制限や在宅勤務にも迅速に対処できた。結果的に、全国約50拠点でのリアルタイムの情報共有体制を構築でき、ペーパーレス化やリモートワークを推進し、1700ユーザーの業務を効率化するという成果をもたらした。

まずはできることから移行して業務効率化につなげる

 ライフプラザパートナーズは、採用検討から6カ月間でdesknet’s NEOを導入、利用頻度の高い掲示板機能を置き換えたことでグループウェアの利用を習慣付けることに成功している(図4)。また、グループウェアの他の機能と連携することで、全国約50拠点でのリアルタイムの情報共有体制を構築し、ペーパーレス化やリモートワークを推進し、1700ユーザーの業務効率化につながったという。

図4:ライフプラザパートナーズの導入スケジュール(出典:ネオジャパン)
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 奥田氏は「自社の業務にどのように活かすことができるのか、まずはできることから移行していき、活用を他の機能に展開できるのもグループウェアのメリットです」としている。先に紹介した西日本クリーンつくしのグループにしても、当初必要だったのはワークフローだったが、通達文やレジメなどのファイルを一括回覧できる回覧レポート機能を利用することで、ペーパーレス化の推進につなげている。

 desknet’s NEOに代表されるグループウェアが、業務効率化やペーパーレス化、リモートワークなどを推進するのに有効なツールの一つであることは間違いないといえそうだ。


●お問い合わせ先

株式会社ネオジャパン

https://www.desknets.com/

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