南紀白浜エアポートなど6社は2022年3月14日、南紀白浜空港(和歌山県西牟婁郡)において、複合現実(MR)によるメンテナンスやサイネージロボットなどの実証実験を開始した。実証は南紀白浜エアポート、NEC、THK、オリエンタルコンサルタンツ、日本マイクロソフト、凸版印刷の6社が実施する。
(2022/03/15 19:30 編集部よりお詫びと訂正)
掲載開始時に「複合現実(AR)」となっていましたが、「複合現実(MR)」の誤りです。お詫びして訂正いたします。
南紀白浜エアポート、NEC、THK、オリエンタルコンサルタンツ、日本マイクロソフト、凸版印刷の6社は、南紀白浜空港において、複合現実(MR)によるメンテナンスやサイネージ案内ロボットの実証実験を順次開始した。実証期間は、2022年3月14日~2023年3月31日。
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実証にあたって、南紀白浜空港にローカル5Gのネットワーク環境を新たに構築した。空港ターミナル内とエプロン(航空機を駐機する場所)、滑走路周りの場周道路を対象に、4.8GHz~4.9GHzを利用する、固定型と可搬型のローカル5G基地局によるローカル5Gネットワーク環境を構築した。
この通信インフラを使って、MRヘッドセット「Microsoft HoloLens 2」を利用した空港職員向けのメンテナンスサービスや、複数ロボットを空港内エリアで協調制御させて来訪者を目的地まで案内するサービス、MR技術を活用した新たな観光体験を提供する新サービスなどを実施する。
MRを活用したメンテナンスサービスは、HoloLens 2と、点群データ活用侵入検知技術(NECの技術)を組み合わせて実施する。樹木など制限表面を超える物体を分析・検知して点検者のHoloLens 2に表示し、点検時の見落としを防ぐ(写真1)。
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従来は、路面劣化などの点検時は、アプリケーションを使ってPC上に過去の点検箇所を記録した画像を表示し、GPS情報をもとに職員が目視で該当箇所を探していた。今回、HoloLens 2上で現実空間に前回の記録を重ね合わせて表示することで、目視と比べ、作業時間が減り、効率よく確認できるようになる。
また、複数ロボット協調制御による来訪者案内/デジタルサイネージ広告の効果も実証する。THK製サイネージロボットとNECの複数ロボット協調制御技術を活用する。空港内のエリアを2台のロボットが協調連携しながら、分担して来訪者を目的地まで案内する。案内終了後は、移動型デジタルサイネージによる宣伝広告に切り替わる。ロボットが搭載しているカメラから映像を取得し、遠隔地からオペレーターのロボット操作による案内も可能である。これにより、案内スタッフのテレワークが可能になる。