DXに取り組むことでデータが急増し、さらにそのデータの管理を行う上では、複雑化したITインフラの整備が急務となる。ピュア・ストレージ・ジャパンの正見氏は、3月10日に開催された「データマネジメント2022」のセッションに登壇し、非構造化データを含めたあらゆるデータをまとめて活用できるデータプラットフォームによって、“攻め”と“守り”の両面からDXへの取り組みを支えていく同社の取り組みを紹介した。
DXの推進にはあらゆるデータをまとめて活用するデータプラットフォームが欠かせない
昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバルビジネスの拡大に伴い、企業が扱うデータはますます増加しており、そのうち約8割を占めるのが「非構造化データ」といわれている。そして現在、これらの非構造化データはバックアップ、データウェアハウス、データレイク、ストリーミング分析、AIクラスタなど、用途が異なるさまざまなシステムに最適化された形で管理されているのが実情だ。
ピュア・ストレージ・ジャパン マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーの正見卓司氏は、「当然のことながら、あらゆるデータはまとめて活用できるのが望ましい形となります。特にデータを戦略的に活用してビジネスを拡大していく“攻めのDX”を推進していく上で、その仕組みが欠かせません」と説く。
その実現のためにピュア・ストレージが提供しているのが、オールフラッシュを基盤とするデータハブ「FlashBlade」である。正見氏は、「バックアップやデータ保護からAIクラスタにいたるまで、データ集約的な特性をもつアプリケーションを統合するためにピュア・ストレージがゼロから構築したもので、ファイルとオブジェクトを単一のスケールアウトプラットフォーム上で統一することができます」と説明する。
FlashBladeはあらゆる非構造化データに対して偏りのないパフォーマンスを提供するように設計されており、大規模な並列処理も可能。無限に拡張可能な最新のソフトウェアシステム上に構築されており、何十億ものオブジェクトにアクセスする何万ものクライアントの要求に応えられるという。
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ピュア・ストレージのストレージソリューションはこれに加えて、データ基盤に求められる下記のような要件を兼ね備えており、攻めのDX戦略を後押しする。
- 複数の同時ワークロードに対して高いスループットとパフォーマンスを提供する「多次元パフォーマンス」
- 敏捷性、柔軟性を兼ね備えた「クラウド対応」
- 容量やパフォーマンス、メタデータ、ファイル数、オブジェクトをシームレスに拡張できる「動的なスケーラビリティ」
- フラッシュ上でのデータのシンプルな展開と管理、アップグレードをサポートする「インテリジェントアーキテクチャ」
- 無停止のアップグレードとデータ保護による「常時稼働」
- NFSやSMB、S3などのプロトコルで卓越したパフォーマンスを発揮する「マルチプロトコルサポート」
卓越した可用性を持ち、古くならないストレージ
ただし、あらゆるデータをまとめて活用するとなれば、一方でその基盤となるストレージのダウンタイムがさまざまな業務に及ぼす影響は、ますます大きなものとなっていくだろう。
実はこの点にこそ、ピュア・ストレージが提供するストレージソリューションの価値が発揮される。24時間365日の常時稼働は当然のこと、その運用に対して99.9999%という卓越した可用性を提供している。「99.9999%の可用性とは具体的にどんなものかというと、年間で停止時間はわすか30数秒ということです。ストレージのダウンタイムについて考える必要はなく、安心してデータを活用していただけます」と正見氏は強調する。
そしてもう1つ特筆すべきが、「Evergreen」というピュア・ストレージ独自の保守プログラムだ。通常、どんなストレージも経年劣化は避けられず、3~6年に一度のハードウェア更改が必須とされてきた。これに対してEvergreenプログラムは永年保守モデルを提供し、ストレージ筐体のリプレースを不要としたのである。具体的には契約期間を通した一定額の保守料金の範囲内で、3年に1度コントローラのアップグレードを行うことでパフォーマンスと信頼性を維持し続ける。
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「コントローラも冗長化されているため、交換作業についても業務を停止することなく行うことができます。またコントローラを交換することで、初期導入時に提供していた機能だけでなく、新規に拡張された機能も永久に無償で利用することが可能となります。私たちのストレージは決して古くなりません」と正見氏はアピールする。
ストレージ筐体のリプレースがなくなることで、これまでデータ移行に費やしていた膨大な工数とコストや、移行に失敗するリスクを排除できるのも大きなメリットだ。
ランサムウェアに侵入されても迅速に復旧できるサイバーレジリエンス
さらにピュア・ストレージのストレージソリューションは、“守りのDX”にも貢献する。
昨今、ランサムウェアの被害が世界的に急拡大している。ランサムウェアとはシステム内のデータを暗号化し、元通りにしてほしければ身代金を払えと要求する脅迫型のサイバー攻撃であり、著名な日本企業もこの被害により操業停止に追い込まれたことがある。その攻撃はますます悪質化しており、事態は深刻だ。「攻撃者はまずバックアップデータを破壊し、復旧できない状態にしてから本番データを破壊するなど、事前に標的企業のシステム環境を調査した上で広範なデータを一度に破壊します。したがって被害が甚大となり、リカバリも長時間に及びます。しかもランサムウェアの侵入を100%確実に防ぐセキュリティソリューションはありません」(正見氏)。
そこでピュア・ストレージは、ランサムウェアなどの悪質かつ巧妙なサイバー攻撃が万一遂行された場合でも、迅速に対処・復旧を行うことができる“サイバーレジリエンス”な環境を提案しているのである。
そのコアとなるのが「SafeMode」と呼ばれる仕組みだ。オンラインストレージ上にアクセス不可のスナップショットを作成し、仮にランサムウェアに管理者権限を奪われたとしてもこのデータを暗号化することはできないというものだ。SafeModeで保護されたバックアップデータを高速にレストアすることにより、ビジネスのダウンタイムを最小限に抑えることができる。
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具体的には、ランサムウェアの侵入が30日以内であれば、フラッシュストレージ「FlashArray」のスナップショット機能でリストアすれば、すぐに元通りにできる。また、それ以前に侵入されていた場合でも、データハブ「FlashBlade」のスナップショットからバックアップイメージを作成し、バックアップサーバーのカタログを再構築することでリストアが可能だ。ここでもFlashBladeによる1時間あたり270TBという高速なREAD性能が生かされる。しかもこのSafeModeは、ピュア・ストレージの他のエンタープライズ向け機能と同様、追加のライセンス費用はかからない。
このようにピュア・ストレージは“攻め”と“守り”の両面からデータ活用を支えることで、DXを大きく前進させていくと吉見氏は語り、セッションを終えた。
●お問い合わせ先
ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社
URL: https://www.purestorage.com/jp/
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