東北大学(本部:宮城県仙台市)のサイバーサイエンスセンターは、NECのベクトル型スーパーコンピュータを利用可能なシステム環境を導入する。東北大学が全国の企業や研究者に対して提供中のスパコン「AOBA」と組み合わせ、2022年10月から運用する。ベクトル型スパコンを受注したNECが同年4月25日に発表した。
東北大学のサイバーサイエンスセンターは、NECのベクトル型スーパーコンピュータを利用可能なシステム環境を導入する。東北大学が全国の企業や研究者に対して2020年10月から運用しているスパコン「AOBA」と組み合わせ、2022年10月から運用する(図1)。
拡大画像表示
AOBAのみの運用と比べて、計算規模は2倍以上になる。さらに、疑似量子アニーリングの大規模利用環境も提供する。これにより、量子コンピューティングと古典コンピューティングを組み合わせたハイブリッド型の計算サービス環境を実現する(関連記事:NEC、デジタル処理のアニーリングマシンをベクトル型スパコンで高速化、2020Q1にサービス提供、関連記事:東北大学とNEC、シミュレーテッドアニーリングの利用サービスを2021年8月から開始)。
ベクトル型スパコンの利用環境は、NECがクラウドサービスとして提供する。NEC神奈川データセンターに設置した理論演算性能2.3PFLOPSのベクトル型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」を、国立情報学研究所(NII)の学術情報ネットワーク「SINET6」を経由して提供する(関連記事:NEC、x86とベクトルプロセッサを組み合わせた新型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」)。
スーパーコンピュータには、カード型のベクトル型スパコン「SX-Aurora TSUBASA/Vector Engine」を活用している。NECは、同カードを搭載したPCサーバーをクラウドサービス型で提供する「SX-Aurora TSUBASAクラウドサービス」を運営している。今回の東北大学の事例は、同クラウドサービスの第1号ユーザーにあたる(関連記事:NEC、ベクトル型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」の中核部品を単体で販売、写真1)。