UiPathは2022年5月24日、RPAソフトウェア「UiPath」の新版「UiPath 2022.4」を提供開始した。新版では、Windows/Linux以外の環境として、Mac(macOS)でもロボットを動作させられるようにした。SaaS型のロボット実行環境(Windows仮想マシンまたはAPI/Webアクセス専用のサーバーレス)や、RPA開発時のテストデータを自動生成する機能も追加している。
UiPath(東京都千代田区)が提供する「UiPath」は、RPAソフトウェアを中核にした業務自動化のための製品群である。
中核となるRPAロボットの開発・実行に加え、人間とロボットが協働して処理を実行するためのツール、自動化すべき業務を発見するタスクマイニング、サーバー側のログを分析して典型的な業務処理を抽出するプロセスマイニング、開発したシナリオの効果を計測するダッシュボード、ソフトウェアの機能テスト、AIモデルをRPAに組み込んで実行できる基盤、アプリケーション画面のローコード開発ツールなど、各種のツールを提供している(関連記事:UiPath、“全社的自動化”とデジタル人材育成を訴え、三菱マテリアル、ジオテクノロジーズの先行事例を紹介)。
今回の新バージョン(UiPath 2022.4)では、RPAロボットの実行環境を増やした(関連記事:UiPath、RPAソフト新版「UiPath 2021.10」をリリース)。まず、Windows/Linux以外の実行環境として、Mac(macOS)でもロボットを動作させられるようにした(図1)。Mac上のGUIアプリケーションやWebブラウザ操作をロボット化して実行可能である。新版の記者発表会では、ExcelデータをWebフォームに転記してWebシステムにデータを登録するデモンストレーションをしてみせた。
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新版では、UiPathとしては初めて、SaaSでのRPA実行環境「UiPath Automation Cloud Robots」を提供する。仮想マシン型(Windows)のロボット実行環境と、サーバーレス型(API呼び出しとWebアクセス)のロボット実行環境の2つを用意した(図2)。
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仮想マシン型は、Windowsのロボット実行環境を、クラウド上の仮想マシンの形態で提供する。オンプレミス環境で稼働しているWindowsベースのロボット実行環境と同等の環境を、クラウド上で調達可能である。スケジュールに則って実行するタイプの自動化フローについて、実行環境を構築して整備する必要がなくなる。一方のサーバーレス型は、API呼び出しとWebアクセスをベースとした自動化フローを、サーバーレス型で実行可能である。
RPA開発時のテストデータを自動生成する機能も追加した。自動化ワークフローの分岐条件を自動で分析し、すべてのテストパターンをカバーする検証用のテストデータを自動で生成してくれる(図3)。
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OCR(光学文字認識)機能も強化した。帳票をアップロードするだけで、読み取り項目をAIが自動で設定するようにした。手作業で項目を設定する手間が省ける。新版ではまた、UiPathが提供するOCRエンジンで日本語を読み取れるようにした。現在はクラウド版においてパブリックプレビューの段階である(図4)。
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