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プロセスマイニング導入のメリットは業務可視化だけにあらず―RPAとの連携で自動化効果を最大化
2022年7月27日(水)
DX(デジタルトランスフォーメーション)の大波の中、業務プロセスを根本的に見直し、自動化を推進する動きが活発となっている。その効果を最大化するために欠かせないのが、プロセスマイニングによる事前の正確な業務プロセス把握だ。6月22日にオンライン開催された「プロセスマイニング コンファレンス 2022 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)に登壇したUiPathで代表取締役 CEOを務める長谷川康一氏が、RPAベンダーであるUiPathがプロセスマイニングを提供することの意義を解説するとともに、同社のソリューション本部でエバンジェリストを務める夏目健氏が、RPAと組み合わせた効果の引き出し方のポイントを紹介した。
RPAとプロセスマイニングの連携は“必然”
RPAベンダーとして複数の第三者機関調査でリーダーと評価されるなど、RPA業界をけん引する米UiPathだが、近年はプロセスマイニングツールを提供するベンダーとしての評価も高まっている。日本法人で代表取締役 CEOを務める長谷川康一氏は「UiPathはデジタルロボットやそれを使う人間を中心に据えつつも、 RPAを提供する会社から、エンドツーエンドの自動化ソリューションを提供する企業へと変わろうとしています」と説明する。
DXを背景に企業では、業務プロセス改善が急ピッチで進んでいる。そこで課題となっているのが、事前の業務プロセス把握だ。長谷川氏は、「それを抜きには、改善による効果を具体的に予測できません。業務課題がいくつもある中で、何から取り組むべきかの適切な判断を下すことも困難になります」と訴える。
だが、業務プロセスの把握は容易なことではない。ヒアリングやアンケートを用いた従来のやり方ではコストや時間が嵩むだけでなく、人の主観が正確な可視化を阻む。その打開に向けた現実解こそ、データという客観的な事実により、ビジネスプロセスを短期間かつ正確に可視化するプロセスマイニングだ。
UiPathの日本法人では、早くからプロセスマイニングの重要性に注目しており、UiPathが自社のプロセスマイニングツールを提供する以前の2018年から、他社のプロセスマイニングツールとRPAを組み合わせた、日本法人独自の「RPAスカウトサービス」を提供していた。
「本社に対して、プロセスマイニングとRPAが融合したひとつのサービスを作らないと、圧倒的な自動化のメリットを打ち出すことはできないと進言していました」(長谷川氏)。それを受けて本社は迅速に動いた。2019年にオランダのプロセスマイニングツールベンダーであったProcessGoldを買収、これを自社製品の「UiPath Process Mining」として提供を開始している(図1)。
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長谷川氏はプロセスマイニングとRPAを組み合わせることのメリットとして、「処理に時間が掛かっているところや面倒な作業が必要なところ、反復作業などを正確に特定して、素早く自動化できます。さらに自動化の結果を見ながらプロセスの改善を行えます」と説明している。加えて、「プロセスを実行するだけでなく、プロセスを監視することによりリスクをコントロールしたり評価したりできるメリットもあります」という。
業務プロセスをプロセスマイニングで可視化し、自動化が必要な箇所を発見、RPAで自動化する。自動化された結果をプロセスマイニングで測定する。その結果に基づいて自動化手法を改善する、というルーチンが回せるようになる。「1回作ったものを見直して、アップデートして価値を高めていくためにプロセスマイニングが重要となっていきます。そうすればすばやく次のアクションを起こせるようになります」(長谷川氏)。
課題発見後の改善アクションをRPAで実行
UiPathのソリューション本部でエバンジェリストを務める夏目健氏は、UiPathがプロセスマイニングツールを提供することの有用性について、次のように説明した。「プロセスマイニングで可視化した後の改善アクションを実行するソリューションは複数あります。その中でも、柔軟な自動化を実現できるRPAは、日本企業の多様で幅広いニーズに対応するために最適なソリューションです」
プロセスマイニングツールの導入に際して気になるのが、「自社のデータを本当に取り込めるか」「プロセスマイニングツールを使いこなせるのか」「自社のシステムのデータで分析が行えるのか」という点だ。
UiPath Process Miningでは、データの取得と加工については、「UiPathコネクター」というテンプレートを用意しており、SAPやSalesforce、Oracleだけでなく、自社開発のシステムもサポートしている。データをグラフやチャートで表現する部分に関しても、アプリケーションテンプレートを用意しており、数十種類のインターフェースを提供している。
加えて、根本原因の分析や差異の分析、繰り返し処理、プロセスの比較、自動化の活用状況など、分析目的に沿った各種の分析ダッシュボードも標準で実装されている。それらの利用を通じて、初めてのプロセスマイニングでも一定以上のレベルで分析できるようになっている。
課題発見から対応策の見極め、RPA活用までを一貫カバー
プロセスマイニングは、企業の業務プロセスを可視化してボトルネックを発見するが、「どんな業務でも、プロセスマイニングツール単独で可視化を完璧に行えるわけではありません。時には、さらに詳細な粒度での分析が必要な場合や、分析するにはデータが不足しており別のアプローチが必要となる場合もあります」(夏目氏)。
そのためにUiPathが用意したのが、UiPath Process Miningと連携して機能するツール群だ。タスクマイニングツール「UiPath Task Mining」、PC上の作業を記録し、ドキュメントを自動生成する「UiPath Task Capture」、各所からの自動化対象案件を登録して集中管理する「UiPath Automation Hub」などである(図2)。
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「Task Miningを活用すれば、Process Miningで発見したボトルネックの原因を、個々の作業まで深堀りして調査できます。Task Captureで収集したデータをAutomation Hubで分析することで、自動化に向く作業を容易に特定可能になります。そこからワンクリックで、業務プロセス定義書やRPAの設計図であるワークフローを自動生成できます。発見した課題の解決法の見極め、さらにはRPAをはじめとしたワークフローによる自動化までを円滑につなげられます」(夏目氏)
UiPath のダッシュボードには処理負荷や処理時間、各種リードタイム、法令違反などの監視用テンプレートも多数用意されている。そこにKPIを追加していくことで独自の業務監視ダッシュボードとして活用できる。
そのうえ、コンプライアンス違反などの課題発見時には即座にRPAのデジタルロボットを自動実行させる環境を整備すれば、課題に早期に対応できるようになるほか、デジタルロボットのアクションの前に、人の判断を挟むなど、状況に応じた柔軟な対応が可能になる。
SaaSとオンプレミスの両製品でユーザーを急拡大
UiPathは、これらプロセスマイニング製品をSaaSとオンプレミスの両形態で提供しており(図3)、「業務コストの削減やプロセスの高速化によるスループット時間の改善、人が作業を行う時間の削減、作業におけるエラーや違反の削減など、多様な課題解決のために活用されています」と夏目氏は語る。
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プロセスマイニング製品は一般にSaaSでの提供が多いが、その場合に課題となりがちなのがデータの社外管理による漏洩リスクだ。UiPath Process Miningではオンプレミス環境でも利用可能な点が高く評価され、機密性の高い情報を取り扱う金融機関などでの利用も始まっているという。
長谷川氏は「今後、プロセスマイニングにより発見された課題を、RPAがハブとなってAIや既存システム、IoTなどすべてのテクノロジーと連携させていくことで解決し、既存の業務をより価値のあるものに変えていきます。圧倒的な自動化が、プロセスマイニングとRPAを中心とした連携により実現される可能性に注目しています」と展望を語った。
●お問い合わせ先
UiPath株式会社
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