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[プロセスマイニング コンファレンス 2022 LIVE]

目指すは人手を介さない自律改善─“プロセスマイニング×自動化”が生む次世代の業務プロセスとは?

2022年7月21日(木)

DXの一環として業務プロセス改革が進むなか、業務の“未来像”も明らかになりつつある。社内外のデータとAIなどのデジタルツールを活用した業務の自律改善を可能とする「インテリジェント・ワークフロー」がそれだ。6月14日にオンライン開催した「プロセスマイニングコンファレンス 2022 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションでは、プロセスマイニングの意義や活用法、さらに自動化ツールとの連携によるインテリジェント・ワークフローについて、日本アイ・ビー・エムの鈴木篤氏と齋藤英夫氏が解説した。

継続的なモニタリングが業務プロセス改革を加速

 DXの推進に向け、一躍脚光を浴びているのが、システムの多様なログを基に業務プロセスの可視化を実現するプロセスマイニングだ。それ抜きには、業務プロセスの“どこ”に、“どんな”課題があり、原因が“何か”の把握も難しく、どう見直すべきかの議論にまで至らない。

 さらに、その先の業務の“未来像”もすでに明らかになりつつある。それが、社内外のデータとAIやIoT、RPAなどの最新技術を活用し、End to Endでの業務の継続的なモニタリングと、ワークフローによる人の判断の自動化を通じて、業務を自律的に改善する「インテリジェント・ワークフロー」だ(図1)。

図1 インテリジェント・ワークフローでは、プロセスマイニングによる業務プロセスの継続的なモニタリングにより、AIによる動的な業務変更を実現する
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 日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)のコンサルティング事業本部 オートメーションでマネージング・コンサルタントを務める鈴木篤氏は、「インテリジェント・ワークフローにより、人とAIの“協働的”なワークフローによる、ルールや業務プロセスの“動的”、かつ外部も含めた“横断的”な改革を通じて、業務最適化サイクルがさらに加速します」と説明する。

日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMコンサルティング事業本部 オートメーション マネージング・コンサルタント 鈴木篤氏

プロセスマイニングの成功アプローチ

 インテリジェント・ワークフロー運用の鍵を握るのが、改善の判断材料を提供するプロセスマイニングであり、その導入を成功させることが推進に向けた最初の一歩となる。そのためには次のステップを踏むことが重要だと鈴木氏は訴える。

 最初は、「役割や目的、ゴールの明確化」だ。プロセスマイニングは業務可視化の手段にすぎない。そこから価値を引き出すためには、当然、プロセスマイニングが何を担い、最終的なゴールのために現状の何を変えるべきかの明確化が不可欠だ。

 次が、「分析対象の適切な選定」だ。いきなり複雑な業務の可視化に取り組んでも経験やノウハウ不足から成功はおぼつかない。そこで当初は成功体験を積むために、データが得やすいデジタル化が進んでいる業務や、関連システムが少なく課題が明らかな業務を優先するなど、段階的に取り組みを高度化させるべきだという。

 その後、プロセスマイニングの意義の社内周知に向け、「対象決定後の早急な可視化」に取り組むとともに、「最終形を目指した取り組みの継続」を通じて、“あるべき姿”の実現に持続的に取り組むのである。

プロセスマイニングに必要な機能を包括提供
変更時のシミュレーションやタスク把握までカバー

 日本IBMはこうしたプロセスマイニング活用支援ですでに豊富な実績を誇る。同社のコンサルティングを受けつつ海外拠点の業務可視化に取り組んだグローバルメーカーは、エリアごとの業務パターンの細かな違いを発見。頭打ち感のあった業務標準化と自動化の再始動につなげている。また、ある公益会社では、システム移行に必要なコアプロセスと例外プロセスの把握で成果を上げているという。

 それらの施策の“中核”として機能したのが、IBMのプロセスマイニングツール「IBM Process Mining」だ。IBM Process Miningを端的に説明すれば、多様なシステムからのデータ抽出/変換や、PCログからユーザー操作の流れをたどるタスクマイニング、得られたデータのBPMN/XPDL参照モデルへのマッピングを通じたプロセスモデルの自動生成など、プロセスマイニングに必要なあらゆる機能を包括した製品と言える。

 IBM Process Miningが行えることは極めて広範だ。まずは、ログデータからプロセスを即座にフロー図として視覚化することで「頻度」「所要時間」「コスト」などの明確化ができる(図2)。それらは、データ分析の結果、フロー図が色分けされたり、追記されたりなど分かりやすいかたちで明示される。

図2 アクティビティーや手戻り、バリアントなどの程度を視覚的に把握でき、ボトルネック解消などに役立てられる
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 日本IBMのテクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部でオートメーション・テクニカル・セールスを務める齋藤英夫氏は、「頻繁なアクティビティーや手戻り、バリアント(プロセスのパターン)は、RPAや自動化の候補となりますが、それらの特定も簡単です。待機時間の確認によりボトルネックも洗い出せます」と説明する。

日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部 オートメーション・テクニカル・セールス 齋藤英夫氏

 モデリング製品やワークフロー製品で設計した、あるべき業務のBPMNモデルを取り込み、現状のモデルと突き合わせることで、逸脱したアクティビティーを偏差値や統計値などを基に特定。問題の根本原因の分析に役立てることもできる。BPMNモデルを外部ツールへエクスポートすることにも当然対応するほか、詳細なモデリングやワークフローの実装にモデルを活用できる。

図3 あるべき業務のBPMNモデルを取り込み、現状モデルと突き合わせて逸脱したアクティビティーを特定
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 個々のプロセスのリードタイムやコストなどのKPI設定により、準拠状況を色の“濃度”として容易に把握できるほか、「ルール・マイニング」によりプロセスモデルから分岐部分の条件であるビジネスルールの発見も可能だ。

 より深い分析で活用が見込めるのが、ローコードによるカスタマイズに対応したダッシュボードだ。カスタマイズ用ウィジェットは30種類以上用意され、「それらを組み合わせて、調達ルール違反による購買や支払先別の金額把握なども容易に分析できます」(齋藤氏)。

 プロセスモデルを基にした、RPAボットの追加やプロセス/ルール変更時のシミュレーションもカバー。プロセスの詳細把握では、すでに述べたタスク・マイニングが力を発揮する。

非定形業務の自動化を支援するIBM Cloud Pak for Business Automation

 もっとも、プロセスマイニング技術が行えるのは、ログに基づく現状のプロセス可視化と、改善ポイントの洗い出しまで。業務改善のためには、改善施策の実施と効果確認に踏み出すことになる。

 それらも含めて自動化したインテリジェント・ワークフローの実現に向け、IBMが用意するのが、業務自動化への活用を見込める機能群を企業内のプライベート・クラウド環境に構築し、必要に応じて利用できるソフトウェア「IBM Cloud Pak for Business Automation」だ(図4)。

図4 IBM Cloud Pak for Business Automationは多様な自動化機能により非定形業務の自動化、ひいてはインテリジェント・ワークフローの実現を支援する
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 IBM Cloud Pak for Business AutomationにはIBM Process Mining以外に、RPAの「IBM RPA」、AIのためのコンポーネント「IBM Business Automation Insights」などの自動化支援機能、さらにドキュメント処理やワークフロー、意思決定などのコア業務の自動化機能などを幅広く用意。必要に応じた利用拡張を通じ、自動化レベルの段階的な高度化が実現される。

 「人手による作業などの単純業務を皮切りに、管理、判断など、非定型業務の自動化を推し進めることで、人がより専門性の高い業務に集中できるようになり、より大きな収益向上やコスト削減につなげられます。IBM Cloud Pak for Business Automationは、まさにその点を支援する製品に位置づけられます」(齋藤氏)。

 日本IBMでは、プロセスマイニングを計画中の企業を対象に、「熟練者の知の継承」をテーマにしたオンラインによるIBM製品のデモンストレーションを実施中だ。同デモへの参加を通じ、熟練者のノウハウを仕組化して継承するためのプロセスマイニングの具体的な使い方やメリットを確認できるだろう。

 「プロセスマイニング」と「多様な自動化技術」を両輪に、日本IBMのDX推進に向けた存在感は今後、さらに増していくはずだ。


●お問い合わせ先

日本アイ・ビー・エム株式会社

URL: https://www.ibm.com/account/reg/jp-ja/signup?formid=MAIL-cloud

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