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[プロセスマイニング コンファレンス 2022 LIVE]

導入支援経験から見えてきたDX推進の課題
独自の「業務ログデータ分析基盤」で解決

2022年7月11日(月)

プロセスマイニングで必要となるのが業務データなどのログだが、ログを収集する仕組みを持たないスクラッチシステムもある。日本では、そういったスクラッチシステムが動いている企業が未だに多い。6月14日にオンライン開催された「プロセスマイニング コンファレンス 2022 Live」(主催:インプレス IT Leaders)のハートコアのセッションでは、DX事業部の三宅立悟氏が登壇。コールセンター業務の可視化事例やログが存在しないスクラッチシステムの可視化事例を紹介し、データ活用のための基盤構築の重要性を訴えた。

「業務ログデータ分析基盤」でプロセスマイニングを活用

 プロセスマイニングは、企業の業務システムからログを収集して分析、業務プロセスのボトルネックを発見することができる。しかし、例えば発見されたボトルネックで従業員はどのような処理を行っているのかといった、もっと深堀した情報がないと、実際に業務改善を進めるのが難しい場合もある。

 そういった課題に対応するべく、デジタル組織改革やデジタル経営改革をテーマにCX(カスタマーエクスペリエンス)事業とDX事業を展開するハートコアが打ち出しているのが「業務ログデータ分析基盤」だ。

 「業務ログデータ分析基盤とは、業務プロセスデータや個人タスクデータを集約・蓄積し、デジタルデータとして活用することで、売上拡大や業務効率化、監査効率化、意識改革を実現していくものです。プロセスマイニングで業務システムのプロセスを、タスクマイニングで個人タスクのプロセスを可視化し、全体最適を図っていきます。これまでの4年間にわたる経験のなかでチームメンバーもさまざまな失敗や成功を重ね、DX推進のノウハウと体制を整えてきました」(DX事業部 三宅立悟氏)

ハートコア株式会社 DX事業部 三宅立悟氏

 三宅氏が、DX推進に最も必要と考えるのが経営戦略だ。経営戦略の中にデジタル推進を明確化する。経営課題の明確化を中長期戦略の中に入れて、既存ビジネスの中に既存ビジネスの成長戦略と新規ビジネス戦略を入れる。「経営が戦略を持つことを中心にする、ということを推奨しています」(三宅氏)

 経営戦略には組織戦略とデジタル戦略があり、今回の講演ではデジタル戦略のうち業務プロセスの改善と把握、社内のデジタルデータの利用、第3のデジタルプラットフォームの構築・運用について説明している。

図1:ハートコアが考えるDX推進に必要な戦略とは
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 ハートコアがこれまで行ってきたプロセスマイニング導入支援の経験から、プロセスマイニングやタスクマイニングに対するニーズは大きく4つあるという。それが、①業務棚卸しの効率化、②ボトルネックの可視化、③ブラックボックスの可視化、④システムリプレイスへの活用だ。ROI視点でみると、①がコスト減・期間短縮、②と③がDX推進・業務改善、④がシステム投資の取り組みとなる。

コールセンターで年間2億円のコスト削減に成功

 ハートコアでは、プロセスマイニングツールとして「myInvenio」およびオープンソースの「Apromore」を、タスクマイニングツールとして「CONTROLIO」をそれぞれ活用している。三宅氏は、その実際の活用事例として、myInvenioとCONTROLIOを活用した受注コールセンターでの事例を紹介した。

 「従来は、コール数や成約数、受電数、解約数などの結果データを分析していました。これからの分析は、オペレーターがどういう案件に対してどういう操作をしたのか、どういうアクションに基づいてCRMに入力したのか、そのあとどういう処理が走っているのかなどをデータとしてつなげます。問い合わせ対応プロセスもデータとして活用します。それにより、案件ごとの対応プロセス、リードタイム、対応コストや運用ルールなどをすべてつなげて分析することで、結果に対するプロセスを可視化・改善し、顧客満足度向上を図ります」(三宅氏)

図2:インサイドセールス運用の、従来の分析手法とこれからの分析手法
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 問い合わせ対応プロセスを可視化することで、ハイ/ローパフォーマーの対応プロセスを分析して結果との因果関係を分析できるようになり、受注件数を15%増加、対応リードタイムを5%削減するといった効果が得られた。また、コールセンターの運用ルールの遵守状況を分析し運用上のリスクを排除したことで、運用ルール違反を80%削減できた。さらには、電話、メール、チャットボットといった複数のチャネルからの問い合わせに対し、全体のリードタイム・対応プロセスの分析を行い、1件あたりの対応コストや平均リードタイムを削減することに成功した事例もあったという。

 実際、ある大手メーカーでは、CONTROLIOからオペレーターのタスク情報を、CRMから売上情報を、CTIから顧客情報を収集してmyInvenioで可視化、ナレッジマネージャーが分析して全体の状況を総合的に判断することに役立てた。FAQやチャットボットを用いて改革を実施し、1件あたりの対応コストを3000円削減、年間2億3000万円のコスト削減、解約率を5%低減することに成功したという。

ログが存在しないスクラッチシステムを可視化

 もう1つの事例としてログが存在しないスクラッチシステムの可視化を紹介した。プロセスマイニングで分析するためにはタイムスタンプなどのログが必要になるが、企業が独自に開発したスクラッチシステムではプロセスマイニングで分析するためのログを出力していないケースも多い。だが、ログが存在しないシステムでも工夫次第で可視化が可能だという。

 「われわれもログがないなかでどう分析するか試行錯誤してきました。そこで開発したのがデータ収集コネクター(DCC)です。複数の日付項目を作業日時のタイムスタンプとして保存したり、上書きされたトランザクションデータをジャーナルデータとして保持し複数の変更処理を取得したりします。これにより従来プロセスマイニングが適用できなかったシステムでも、正確なプロセスを把握し分析できるようになります」(三宅氏)

図3:既存システムの見える化に必要なコネクター(ログ収集方法)
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 データ収集コネクターは、クエリーで検索するのではなく、参照権限だけを持つ仕組みで、オンラインジャーナルの更新を監視しているだけなので負荷はほとんどかからないという。ある製造業では、この仕組みを利用して経費精算システムの経費申請から承認にいたるプロセスを分析した。

 「この企業では、グループ会社の業務プロセスの標準化やプロセスの把握、業務システムの保守リスクの拡大などに課題がありました。そこで経費精算の共通システム化に向け、スクラッチシステムを含めた各事業会社の経費精算プロセスの見える化に取り組みました。企業ごとに時間、コスト、プロセスを分析し、グループ間の可視化、施策立案、ROIを測定。古いシステムで22時間かかっていたプロセスが、新システムに移行することで13時間に短縮できるといった改善を提案しながら、年間1000万円の投資回収を実現できるようにしました」(三宅氏)

導入支援の経験から見えてきたDXの課題と対策

 三宅氏はそのうえで、プロセスマイニングによる顧客支援の経験から見えてきた「日本のDXの課題と対策」を解説した。

 「プロセスマイニングでデータを活用するためには、必要なデータを取得する必要がありますが、それが難しいためにDXがなかなか進まないという現状があります。データを活用するためにデータ基盤をきちんと持つことが重要な経営課題だと考えています。データ基盤により、データ取得(Collection)の課題、データ提供(Provision)の課題、データ利用(Use)の課題にこたえていきます。われわれは、この3つの課題を“データ活用のCPU問題”と呼んでいます」(三宅氏)

 CPUという3つの課題が引き起こされる要因には、データの分散(Distributed)、データのサイロ化(Silo)、データの部分最適化(Local Optimization)があるという。この「DSL」を解消していくためには、データの集中(Concentrate)、データの横ぐし化(Horizontal)、データの全体最適化(Global Optimization)という「CHG」が重要になる。

 「CPU問題への対策では、新たなデジタル基盤を作ることが重要です。現状のデータを見直し、一元的に管理することで、データドリブン経営を阻害する『データがつながらない』『データ精度が低い』『必要なデータがすぐ入手できない』などの問題を解決します」(三宅氏)

 そのうえで三宅氏は、デジタル基盤を活用した業務プロセスの最適化サイクルとして「データ収集」「現状の可視化」「現状分析」「現状の改善」を回していくことが重要だと主張。最後に「これまで経験を活かして皆様のDX推進を支援していきます」と講演を締めくくった。


 
 

●お問い合わせ先

ハートコア株式会社

ハートコアのDXソリューション
https://www.heartcore.co.jp/products/DX/index.html

お問い合わせフォーム:https://www.heartcore.co.jp/contact/index.html
メールによるお問い合わせ(DX営業部):dx-sales@heartcore.co.jp

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