[市場動向]

リアルとデジタルの融合で新しい顧客体験を─「みらいの郵便局」プロジェクトが本格始動

大手町郵便局内のテスト施設で実証実験を開始

2022年7月21日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

日本郵政、日本郵便、JPデジタルは2022年7月15日、「みらいの郵便局」実現に向けた実証実験を東京都千代田区の大手町郵便局で開始した。みらいの郵便局は、日本郵政グループが2021年中期経営計画「JPビジョン2025」で掲げたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進によるリアルの郵便局ネットワークとデジタル融合の取り組み。実証実験を通じて、郵便局の立地の特性、顧客ニーズを踏まえたみらいの郵便局モデル作成を進め、全国展開を目指す。

“顧客と地域を支える共創プラットフォーム”の中核的な取り組み

 日本郵政グループは、2021年5月発表の中期経営計画「JPビジョン2025」において、目指す姿として、「顧客と地域を支える共創プラットフォーム」という構想を打ち出している。その実現のアプローチとして掲げたのが、DXの推進によるリアルの郵便局ネットワークとデジタル郵便局の融合である(図1)。

図1:JPビジョン2025 日本郵政グループが目指す姿(出典:日本郵政グループ)
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 同グループは共創プラットフォームの構想の中で、リアルとデジタルが融合した郵便局を「みらいの郵便局」と名付け、新しい顧客体験(CX)の提供に取り組む。デジタルテクノロジーを活用し、顧客が感じている不便・不満・不安を解消しながら「新しい期待を作る」としている(図2)。

図2:みらいの郵便局概要図(出典:日本郵政、日本郵便、JPデジタル)
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大手町郵便局内のテスト施設で実証実験

 みらいの郵便局の実現に向けて、東京都千代田区の大手町郵便局で、実証実験のためのテスト施設がオープンした。7月14日の内覧会で紹介された、同施設での主な取り組みを以下で紹介する。

デジタル発券機

 受付番号に記載されたQRコードを読み取ると、Web上で待ち状況を確認ができる。また、発券と連動して日本郵便Webサイトで事前に郵便局の混雑状況、待ち組数のチェックも可能となった。今後の展開として、インターネットから、事前に番号札の発券や手続き予約ができるサービスを目指す(写真1)。 

写真1:デジタル発券機と連動し、Webサイトで待ち状況の確認が可能
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セルフ差出&セルフレジ機

 顧客自身で郵便物の差し出しや、レターパック・物販商品の購入ができ、差し出しや商品購入のためだけに窓口の待ち時間を削減する。今後の展開として、より簡単でスムーズに利用できるシステムを目指す(写真2)。

写真2:差出、物販購入が行えるセルフレジ専用窓口
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LifeCounseling(相談ブース)

 金融相談を遠隔から提供するリモート相談ブース(個人用、写真3)と、対面の相談ブースを設置。専門職員がおらず金融相談などのサービスが提供できなかった局でも、リモートでの相談が可能となる。今後の展開として、金融に限らず、生活や人生に関わる相談を専門家と繋ぐサービスをリモート提供できる環境を目指す。

写真3:防音性の高いリモート相談ブース
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●Next:みらいの郵便局の全国展開計画

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