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北海道電力、IoT/AIで火力発電所の運用を高度化へ、設備の不具合や性能低下を早期に検知

2022年11月8日(火)IT Leaders編集部

北海道電力(本社:北海道札幌市)は2022年11月7日、火力発電所の運用をIoT/AI技術を活用して高度化する取り組みを開始したと発表した。設備の不具合や性能の低下を早期に検知することが目的である。同社の火力発電所である石狩湾新港発電所1号機(定格出力:56.94万kW、使用燃料:LNG)および苫東厚真発電所4号機(定格出力:70万kW、使用燃料:石炭)を対象に検証する。

 北海道電力は、火力発電所の運用をIoT/AI技術を活用して高度化する取り組みを開始した。設備の不具合や性能の低下を早期に検知することが目的である。同社の火力発電所である石狩湾新港発電所1号機(定格出力:56.94万kW、使用燃料:LNG)および苫東厚真発電所4号機(定格出力:70万kW、使用燃料:石炭)を対象に検証する(画面1)。

画面1:不具合の兆候監視機能と性能監視機能の画面(出典:北海道電力)
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 東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)のプラント監視ソフトウェア「EtaPRO(エタプロ)」を活用する。発電所の各設備に設置したセンサーから得られる運転データを基に、IoT/AI技術で算出した本来あるべき運転状態(期待値)と、現在の運転状態(実測値)を比較する。これにより、主要設備の不具合や性能低下の兆候を検知する。

 従来、設備の不具合や性能低下の検知は、あらかじめ設定したしきい値に基づくアラート判定や、約2年に1回実施する性能試験などによって行っていた。今回のシステムにより、微細な運転状態の変化をリアルタイムに捕捉できるようになるため、これまでよりも早い段階で検知が可能になる。発電支障の未然防止と効率的な運転に寄与する。

 2020年10月から、北海道電力と東芝ESSの両社共同で検証を実施している。北海道電力が火力発電所の運転データを提供し、東芝ESSがシステムの構築を担当した。EtaPROを石狩湾新港発電所1号機および苫東厚真発電所4号機に導入するにあたっては、東芝ESSのクラウド上にシステムを組み込むことで、システムの運用管理とメンテナンスを効率化した。

 北海道電力は、経済産業省が定める「DX認定」を2022年2月に取得済み。今回の取り組みもDX推進の1つと位置づけている。これまで取り組んできたローカル5G、自走式点検ロボット、ヘッドマウントディスプレイによる業務効率化、AIによるボイラーの最適運転など、各種のデジタル技術を組み合わせることで、発電所の運用高度化を進める。

 北海道電力が活用するEtaPROは、30年以上にわたって火力・水力・風力・太陽光などの発電事業者など60カ国、約700GW分の発電所への導入実績がある。東芝ESSが2021年10月に同ソフトウェアに関する事業部門を米国のジーピー・ストラテジーズ・コーポレーション(GP Strategies Corporation)から買収している。

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