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イメージバックアップ新版「Arcserve UDP 9.0」、全エディションでバックアップデータの健全性を確認可能に
2023年1月16日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
Arcserve Japanは2023年1月16日、イメージバックアップソフトウェア新版「Arcserve Unified Data Protection(UDP)9.0」を発表した。同年1月23日に受注を開始し、同年2月1日から出荷する。新版では、バックアップデータの健全性を確認する機能を標準エディションでも使えるようにするなど管理機能を強化した。価格(税別)は売り切り型のライセンスが11万6000円からで、年額制のライセンスが年額3万9200円から。
Arcserve Japanの「Arcserve Unified Data Protection(UDP)」は、イメージバックアップソフトウェアである。OSを含めたシステムイメージを、丸ごとブロックレベルでバックアップする。前回のバックアップ時からの差分だけを転送する増分バックアップ機能や、バックアップ対象サーバー側でのデータ重複排除など、バックアップ量/時間を短縮する機能に注力している(関連記事:イメージバックアップ新版「Arcserve UDP 8.1」、管理コンソールを多要素認証化)。
ソフトウェアは、バックアップ対象マシン(Windows、Linux)に導入するエージェントソフトウェア、バックアップスケジュールを管理する管理コンソール、バックアップイメージを格納する復旧ポイントサーバーで構成する。ジョブ管理ソフトウェアなどからバックアップ処理を実行できるように、WindowsのPowerShell環境で利用可能なコマンドラインプログラムも提供している。
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新版となるArcserve UDP 9.0では、セキュリティ機能を強化した。まず、バックアップデータの健全性を確認する「アシュアードリカバリ」機能を、標準エディション「Advanced Edition」でも使えるようにした(画面1)。バックアップデータを仮想環境などに実際にリストアし、正常に使えるデータかどうかを確認する機能である。これまでは上位エディション(Premium/Premium Plus Edition)に限って利用できていたが、これを業務向けの全エディションに広げた。
バックアップデータの暗号化/復号に使うパスワードを外部ファイルで管理できるようにした。外部ファイルにパスワードを書き出しておき、復号時にファイルを読み込ませることで、パスワードを手動で入力しなくても復号できるようになった。これにより、パスワードを記憶しておく必要がなくなった。覚えやすい簡単なパスワードを使ってしまったり、パスワードを付箋にメモしたりといったセキュリティ上のリスクを排除する。
新版では、管理機能も強化した。「完了」と「失敗」の2通りだったジョブステータスに、新たに「未完了」を追加した。より詳細にジョブの状況を把握して、適切に対応できるようになった。バックアップできなかったファイルがあって該当ファイルのバックアップをスキップした場合や、一部の情報が取得できなかった場合など、特定のアラートが出た場合に「未完了」のジョブステータスになる。
手動バックアップを日次/週次/月次などのスケジュールジョブとして実行できるようにしたことで、必要がないバックアップデータが残らないようにした。また、これまで削除できていなかった、手動で取得したバックアップデータを、画面上の操作で削除できるようにした。
データベースのバックアップ機能も強化した。SQL Serverについては、リストア後の復旧状態の指定やデータベースの整合性チェック、異なるインスタンスへのリストアなど、よりきめ細かいリストアが行えるようになった。バックアップしたタイミングではなく任意の時点にデータベースをを復旧する機能「Point-in-Time リストア」については、コマンドラインだけでなく、新たにGUIから操作できるようにした。
Oracle Databaseについては、Oracle Recovery Manager(RMAN)と連携したバックアップが可能になった。