ガートナージャパンは2023年6月7日、国内企業におけるソフトウェア開発技術の利用状況に関する調査結果を発表した。主要な6種類のソフトウェア開発技術のうち「ビジネスプロセスオートメーション(BPA)」の利用率が54%と最多だった。1年以内に利用予定という回答を合算すると、調査した6種類すべてが50%を超えるか50%近くになる見込み。
ガートナージャパンは2023年2月、ユーザー企業のシステム開発に従事するソフトウェアエンジニアを対象に、問い合わせの多い6種のソフトウェア開発技術の利用状況を調査した(図1)。

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6種類のソフトウェア開発技術と利用率はそれぞれ、「ビジネスプロセスオートメーション(BPA)」が54%、「iPaaS」が52.3%、「API管理」が51%、「データ統合ツール」が48%、「ローコード/ノーコード開発ツール」が43%、「イベント駆動型テクノロジ」が31%だった。
6種類のうち上位3種類は50%を超えている。1年以内に利用予定という回答を合算すると、4位の「データ統合ツール」と5位の「ローコード/ノーコード開発ツール」も50%を超え、6位の「イベント駆動型テクノロジ」も半数近くになる見込み。
ガートナーは、「API、クラウド、モバイルデバイスなどの普及と進化によってアプリケーションが多様化したことで、企業において利用するソフトウェア開発基盤は、複数の種類が必要となると同時に、今後さらに増える傾向にある」と見ている。
今回の調査で最も利用率の高かったBPAは、従来はビジネスプロセス管理(BPM)に分類されていた。「デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革の取り組みが活発化した数年ほど前からは、業務の効率化・省力化・高速化に向けた自動化という文脈で関心が高まっている。コロナ禍をきっかけに急激に導入が進展した」(同社)という。
API管理の利用率は、現時点ではBPAとiPaaSに次いで3番目だが、1年以内の利用予定も含めると最多になるとガートナーは見ている。「現在、多くのソフトウェアがAPIを生成/利用する機能を備えている。APIの普及には、API間の接続や変換だけでなく、APIの適切な活用の促進と維持のためにAPI管理が不可欠である」(同社)。