清水建設(本社:東京都中央区)は、全社で利用するデータ活用基盤を構築し、2022年10月より運用している。同基盤では、Denodo Technologiesのデータ統合ミドルウェア「Denodo Platform」を用いて、社内に分散したデータソースを複製なしに仮想的に統合。データの入手に要する時間の短縮を図っている。Denodo Technologiesが2024年3月22日に発表した。
清水建設は2021年からデータの民主化を推進している。社内外にデータが散在し、データのやり取りに多大な時間がかかることが当時の課題だった。また、各部門が個別にデータを蓄積・管理していたため、部門を横断した活用がままならなかった。「BIツールでデータの可視化を試みたが、データが整理されていないため活用しにくかった」(同社)という。
そこで、分散したデータソースを複製なしに仮想的に統合するDenodo Technologiesのデータ統合ミドルウェア「Denodo Platform」を導入。2カ月間のPoC(概念検証)の後、3カ月でシステムを構築、2022年10月より全社で利用するデータ活用基盤として運用している。データカタログにより、データのサイロ化を解消し、従業員が他部門のデータも活用できるようになった(図1)。
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「Oracleのファイルは英語かつ物理名のため、どのカラムにどんなデータが含まれているのかが分かりにくかった。データカタログを整理する際、論理名を加えたところ、どこにデータがあるのか一目瞭然になり、データ利用のハードルが下がった」(清水建設)
「現在Denodo Platformで公開しているデータは、全社規模で見ると一部のデータに過ぎない。データ共有基盤はすでに整っているので、最終的には100%のデータを活用できるようにしていきたい」(同社)
Denodo Platformは、大きく、複数のデータソースからのデータ収集機能、収集するデータを結合し、任意の切り口でデータモデルを定義する機能、SQLやREST APIなど各種のインタフェースでデータモデルにアクセスする機能で構成する。(図2、関連記事:データソースを仮想化するミドルウェア「Denodo Platform 8.0」、GraphGLでアクセス可能に)。
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