エクサウィザーズは2024年4月10日、顧客対応/商談トレーニングサービス「exaBase ロープレ」を同年4月中に提供すると発表した。顧客を想定したAIアバターを相手に商談の会話練習ができる。AIアバターのシナリオは金融・保険、不動産など各業界・各社の業務に合わせ対話型の生成AIで作成する。生成AIによって評価のフィードバックが得られ、営業力の向上や不適切な発言の抑止に役立つとしている。
エクサウィザーズの「exaBase ロープレ」は、顧客を模したAIアバターを相手に顧客との会話を練習できる商談トレーニングサービスである。AIアバターのシナリオは金融・保険、不動産など各業界・各社の業務に合わせて、対話型の生成AIで作成する。会話の内容について評価のフィードバックが得られ、営業力の向上や不適切な発言の抑止に役立つとしている(画面1)。
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「多くの企業は、顧客に商材などを提案する営業担当者を育成する手段にOJT(現任訓練)を採用している。しかし、OJTには、教育担当者の時間を費やすこと、担当者によるバラつき、育成に1年以上など一定の期間が必要といった課題がある。現在はリモート勤務で社員の育成が難しくなっている」(同社)
exaBase ロープレがこうした課題を解消する。各担当者は、トレーニングの成果として営業結果に結びつくことで業務のモチベーションが上がり、職場への定着率が高まるとしている。適用領域として、金融・保険、不動産など、営業担当が顧客と密に接する業界での活用を想定している。
システム面での特徴として、AIアバターの応答の速さをアピールしている。発話からAIアバターの応答までが概ね1秒以下で、自然な会話速度から、実践さながらの応答力を鍛えられるとしている。
営業シナリオは、生成AIと対話しながら、10分程度で1つのシナリオを作成できるという。「アイスブレイクの後に、特定の商材に結びつく話題を提案し、そのうえで必須項目を伝える」といった具合である。営業担当者は、管理者が設定したシナリオと、顧客を想定したAIアバターを選択し、商談などのロールプレイングを実施する。
フィードバックは、定性・定量の両面で実施する。会話を評価し、総合得点、具体的な改善点、実施内容の要約を示す。練習すべき営業シーンと状況を把握可能な進捗ビューを備えている。管理者向けの画面では、各担当の進捗や成績を一覧可能である(画面2)。
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料金体系は、基本料金と従量費用を予定している。エクサウィザーズは、シナリオの作成から運用、研修などを含めたコンサルティングも請け負う。今後は、優秀な営業担当者の動画を基にしたシナリオ作成機能、表情解析機能、スマートフォンでの受講機能などを追加する予定。ほかにも、業務生産性向上のための製品として、AIチャットボットによる販売・受付・問い合わせの業務を支援するセールスアシスタントなどの提供を予定している。