ソラコムは2024年4月22日、IoTプロジェクトに関する実態調査の結果を発表した。国内の上場企業を対象に、IoTプロジェクトに関わる組織・人数、目的、推進上の課題について直近3年間の変化を調べている。77.9%は外部の人材を使わずに内製でIoTプロジェクトを始めているが、プロジェクト推進における課題のトップには「専門人材の育成」(22.6%)が挙がった。“自前主義”の企業が多いものの専門人材の不足が課題となっている。
IoTサービスベンダーのソラコムが、IoTプロジェクトに関する実態調査を行った。国内の上場企業を対象に、IoTプロジェクトに関わる組織・人数、目的、推進上の課題について直近3年間の変化を調べている。
IoTプロジェクトが「うまくいった(うまくいっている)」と感じている企業は63.3%を占める。また、プロジェクトを始めたきっかけは「DXやデジタル活用の専門部署からの指示」(44.9%)が最多である。約9割のプロジェクトは経営層や他部署からの指示から始まっており、現場のボトムアップで始めるケースは1割に満たない(図1)。
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プロジェクトが難航している企業の回答に着目すると、「情報システム部からの指示」の割合が成功企業よりも21.5ポイント高い。一方、成功企業は、難航企業に比べ「経営層からの指示」「現場からの要望」が高い。「プロジェクト成功の要素として、経営層のコミットメントや現場主導のスモールスタートが重要であることがうかがえる」(ソラコム)。
IoTの目的はデータに基づく意思決定などにシフト
「2021年1月~2022年12月の間に着手したプロジェクト」と「2023年以降に着手したプロジェクト」で、それぞれの期間におけるIoTプロジェクトの目的を尋ねている。結果、目的の優先順位に変化が見られ、「データを事業成長や付加価値向上に活用しようとする取り組みにシフトしている」(同社)という(図2)。
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3年前の回答トップ3は、「効率化・業務改善」(27.8%)、「オペレーションの全体最適化」(24.1%)、「人材育成・組織強化」(22.8%)。一方で2023年以降に着手したプロジェクトのトップ3は、「オペレーションの全体最適化」(24.7%)、「データに基づく経営の意思決定」(22.8%)、「効率化・業務改善」(22.2%)だった。
自前主義が多い一方で専門人材の不足が課題
調査では、プロジェクトメンバーの構成も尋ねている。77.9%は、当該部門と他部署メンバーなど社内人材のみで構成したチームでプロジェクトに着手。外部の専門家やITベンダーなどのリソースを活用しているプロジェクトは22.2%にとどまった。「外部リソースの活用は少数派で、8割弱の企業が社内から人材をアサインしており、“自前主義”の企業が多い実態が浮かび上がった」(同社、図3)。
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