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[事例ニュース]

マンション内覧会における購入者の指摘を音声認識で関係者に共有─野村不動産

建築工程管理サービスを内覧会向けにカスタマイズして活用

2024年5月16日(木)IT Leaders編集部

野村不動産(本社:東京都新宿区)は、新築分譲マンション内覧会の効率的な運営のため、音声認識を用いた建設工程管理サービスを活用している。アドバンスト・メディアの「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム 仕上げ検査」を導入し、購入者からの指摘を音声認識を使って関係者間でスムーズに共有できるようにした。アドバンスト・メディアが2024年5月15日に発表した。

 野村不動産は、マンションの購入者に部屋の状態を引き渡し前に確認してもらう内覧会を運営している。その際、これまでは壁・床の傷や汚れ、設備の不具合などが見つかった場合、購入者からの指摘事項を担当者が逐一手書きで図面に記録していた。紙の図面に手書きされた指摘の内容を協力会社にスムーズに共有することが難しかった。管理も煩雑になり、ペーパーレス化の必要性が増していたという。

 そこで、アドバンスト・メディアの建設工程管理サービス「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム」の「仕上げ検査」を導入した。音声認識を用いて建設工程の検査業務を効率化する。野村不動産の内覧会専用フォーマットに合わせてUIをカスタマイズし、署名機能を追加している。導入にあたり、ペーパーレス化、スムーズな情報共有、ツールのカスタマイズ性を重視したという(画面1)。

画面1:野村不動産向けにカスタマイズした「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム 仕上げ検査」の画面例。「バルコニー、アルミサッシ、キズ2カ所」のように、タブレットに話しかけて音声入力できる(出典:野村不動産)
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 内覧会の担当者は、タブレットに映した図面上で指摘事項の入力箇所をタップし、該当箇所、詳細な部位、購入者からの指摘内容を「バルコニー、アルミサッシ、キズ2カ所」のように話しかけてデータを入力できる。オフライン環境でも入力が可能で、タワーマンションなどの高層階など、その時点で通信がしにくい環境で利用できる(オンライン環境に戻ったとき入力したデータをサーバーに送信する)。

 また、タブレットのカメラから写真を撮影して、指摘事項の内容と該当箇所の写真をセットで管理できる。指摘事項数、内容、画像を施工会社とリアルタイムに情報共有することで協力会社への連絡がスムーズになり、購入者が共用部分の見学をしている間に補修作業を行う「スマートリペア」にも対応する。

 野村不動産は、いくつかの物件でトライアル導入を行い、施工会社との指摘事項の共有がスムーズになったことを確認した。施工会社の中には、すでに同システムを利用して検査を実施しているところもあるという。今後、同社が首都圏で取り扱う新築分譲マンションシリーズ「プラウド」の全内覧会での導入を目指す。

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